写す力を伸ばそう〔くるくる漢字〕【漢字コグトレ #7】課題シート付

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子どもたちの認知機能を高める 教室コグトレ
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立命館大学教授・一般社団法人日本COG-TR学会代表理事

宮口幸治
連載「漢字コグトレ」 バナー

7回目の今回は「写す」力を伸ばすトレーニング。そのなかの〔くるくる星座〕の漢字版である〔くるくる漢字〕にチャレンジしましょう。ダウンロードプリントもありますので、ぜひご活用ください。「コグトレ」とは、宮口幸治先生たちが開発した「コグニティブ(認知)機能」を高めるトレーニングのことで、身体面、学習面、社会面の3方面から包括的にトレーニングする特徴があります。本連載では、学習面のトレーニング(認知機能強化トレーニング)を基に、図形や記号、数字などを漢字に置き換え、漢字に特化した「漢字コグトレ」を紹介します。

監修/立命館大学教授・宮口幸治

「認知機能強化トレーニング」とは

コグトレの認知機能強化トレーニング(→詳しくは連載第1回を参照)は、以下の表のように「覚える」「数える」「写す」「見つける」「想像する」の合計5つの分野をターゲットとしたトレーニングから成り立っています。

コグトレ 表1

今回は、「写す」のなかから、〔くるくる星座〕の課題を紹介します。

このトレーニングは、上段の円の中にある星座を、下段の円の中の星をつないで、写します。このとき、下段の円が回転していますので、位置関係を把握する力が必要となります。見本を正確に写すことで、視覚認知の基礎力を向上させることをめざします。角度が変わっても同じ形であることを認識する力や想像力も養います。

「写す」のなかから〔くるくる星座〕の漢字版〔くるくる漢字〕に挑戦しましょう。

漢字の形を使っているので、漢字力を養うことにもつながります。また、点の上に漢字が配置されているので、習っていない漢字でも写すことが可能です。低学年も、ぜひ、挑戦してみてください。

〔くるくる漢字〕にチャレンジ!

ねらい
相対的な位置関係を理解しながら見本を正確に写すトレーニングを通して、見る力や想像力、全体を把握する力を養います。

進め方
上段と同じ漢字になるように、下段に正しい方向で写します。

※ヒントは★の位置です。★の位置関係を考えるようにします。
※なんの漢字なのかに気付かないときは、紙を回転しましょう。
※点の上に漢字が配置されているため、漢字の形が正確でない場合があります。ここでの一番の目的は写す力を付けることなので、時間に余裕があれば正確な漢字の形を教科書や辞書などで確認しましょう。

 

課題シート
※①②の順に難易度アップ! 

コグトレ シート
クリックで拡大、ダウンロードできます。
コグトレ シート
クリックで拡大、ダウンロードできます。

くるくる漢字①の漢字は左から順に(化)(式)(豆)
くるくる漢字②の漢字は左から順に(芸)(参)(希)

授業の進め方

進め方は以下の手順を参考にしてください。※詳しくは『子どもの認知能力をグングン伸ばす!マンガコグトレ入門』(小学館)をご覧ください。

コグトレ7回 マンガ
コグトレ7回 マンガ
『子どもの認知能力をグングン伸ばす! マンガコグトレ入門』(小学館)より

  

宮口幸治(みやぐちこうじ)

立命館大学教授 一般社団法人日本COG-TR学会代表理事
京都大学工学部を卒業し建設コンサルタント会社に勤務後、神戸大学医学部を卒業。児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務、2016年より現職。困っている子どもたちの支援を行う「日本COG-TR学会」を主宰。医学博士、子どものこころ専門医、日本精神神経学会精神科専門医、臨床心理士。著書『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮新書)が大ベストセラーになる。

取材・文・構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ

出典:『コグトレ みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニング』(三輪書店)、『1日5分! 教室で使える漢字コグトレ 小学1~6年生』(東洋館出版社)

 

『子どもの認知能力をグングン伸ばす! マンガコグトレ入門』(小学館)

教室を舞台にしたマンガでコグトレの進め方を楽しく具体的に紹介しています。「コグトレを取り入れたいけれど、何からどのように始めたらよいかわからない」という方にもピッタリの1冊です。「コグトレ」の代表的な50種のトレーニングのねらいや進め方・ポイントなどを、マンガを交えて易しく解説。紹介する課題のワークシートはすべてダウンロード可能。

A5判/224頁
ISBN9784098402182

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