「VUCA」とは?【知っておきたい教育用語】
「VUCAな時代」において、子どもたちにどのような教育が必要なのでしょうか。また、これから「よりVUCAな時代」になることが予測されています。その背景についても考えてみましょう。
執筆/文京学院大学外国語学部教授・小泉博明

目次
「VUCA(ブーカ)」とは?
VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった言葉であり、「予測困難で不確実、複雑で曖昧な状態」を意味します。元々はアメリカの軍事用語として使われていましたが、ビジネスや教育においても用いられるようになりました。
「VUCAな時代」という文脈でよく使われますが、現在がまさにその時代であり、今後は「よりVUCAな時代」になると予測されています。このような時代に、子どもたちにとってどのような教育が必要なのかが問われているのです。
「VUCAな時代」とは?
グローバル化や多様性が進展する中で、世界的な人口爆発と同時に日本国内では超高齢社会と人口減少などの社会構造の変化が起きています。また、地球温暖化による気候変動や異常気象、台風や地震といった災害など予測困難な事象も起こっています。AIなどの新しい技術の急速な発達による経済の変化もあります。特に、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的流行)は、事前に対策を打つことができず予測が不可能な状況となりました。
まさに、これまでに経験したことがない想定外の変化が起こるのが「VUCAな時代」の特徴なのです。そして、今までの日常が日常でなくなる「ニュー・ノーマル」な生活様式が模索されています。