「個別最適な学び」と「協働的な学び」はノート指導でも実現できる
執筆/神奈川県公立小学校教諭・青木洋俊
目次
これまでも、これからも! 個の視点と集団の視点
「個別最適な学び」のポイントは?
答申には、次のように示されています。
「個別最適な学び」
文部科学省・「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)
「個別最適な学び」が進められるようこれまで以上に子供の成長やつまずき、悩みなどの理解に努め、個々の興味・関心・意欲等を踏まえてきめ細かく指導・支援することや、子供が自らの学習の状況を把握し、主体的に学習を調整することができるよう促していくことが求められる。
「協働的な学び」のポイントは?
「協働的な学び」
文部科学省・「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~(答申)
知・徳・体を一体的に育むためには、教師と子供、子供同士の関わり合い、自分の感覚や行為を通して理解する実習・実験、地域社会での体験活動など、様々な場面でリアルな体験を通じて学ぶことの重要性が、AI技術が高度に発達するSociety5.0時代にこそ一層高まる。
『みんなで、よりよい学級・学校生活をつくる特別活動小学校編』
これからの時代だからこそノート指導が大切
GIGAスクール構想の時代だからこそ、小学校段階におけるノート指導は、学び方の基本としてますます重要となります。児童一人一人が、自分の学びをノートに蓄積し、振り返って、次の学びに生かせるものにしていくことが大切です。
ノートから見える「個別最適な学び」と「協働的な学び」
❶ノートは見開きでまとめる
1時間の授業で見開きを使うことを基本とするよう指導すると、見やすいノートになります。問題文、問い、自分の考え友達の考え、まとめ、振り返りといった毎回共通して書く内容をどのあたりに書くとよいか、あらかじめ例示しておくと見通しが持てます。
❷「問い」と「まとめ」を連動
子供たちの「困った」をもとに「問い」を設定します。「どうすれば、求めることができるか」の部分です。「まとめ」は、「問い」に対応して、「こうすれば求めることができる」というように書きます。自分で「まとめ」も書けるように指導することが大切です。
❸折に触れて「コメント」を
毎時間コメントを書くことは難しいでしょう。しかし、折に触れてノートにコメントを入れることで、子供たちの学習状況を適切に見取りフィードバックすることができます。子供たちの学習意欲の向上につながるようにすることが大切です。
❹「振り返り」から見る個別最適な学び
振り返りには、個々の学びの足跡が残るようにします。この児童は、4年生のときの既習を生かして問題を解決していることがわかります。過去の自分のノートを読み返して、解決の糸口を探るということも大切です。
❺「振り返り」から見る協働的な学び
この児童の「振り返り」では、友達の解決方法から新たな気づきを得ることができていることがわかります。協働的な学びは、グループ学習などだけではありません。学級の中での友達の発言からも学び合うことができます。
側面の掲示板にノートのコピーを掲示
イラスト/種田瑞子
『教育技術 小五小六』2021年12/1月号より