自分たちの学校生活を振り返り、課題を解決する学級活動(1)
新型コロナ禍の影響で、通常とは異なる学校生活が長く続いています。子供たちが抱える学校生活上の不安や悩みは、通常とは異なるものも多いのではないでしょうか? 今こそ、学級活動(1)の時間が子供たちを救うものとして価値を発揮します。
執筆/福岡県公立小学校教諭・村上暢崇
目次
思いや悩み、やってみたいことを共有する
先輩や家の人へのインタビュー
目標を共有し、活動の内容、方法、役割等について話し合う
実践する
振り返る
知っていますか? 教えていますか?「多数決」のこと
学級活動⑴などの話合いの場面では、合意形成を図るひとつの手段として「多数決」を用いる場合があります。
提案理由や話合いのめあてに照らしたり、立場の異なる考えに触れたりしてもなお、自身の考えを感情的に主張し続ける児童にとっては、意見の傾向を視覚的に捉え、その状況で判断が決する多数決は、とてもわかりやすく納得がいく方法です。
一方で、「多数決」は、少数意見が尊重されないといった欠点もあります。
ここでは、「多数決」が、折り合いをつけたり、合意形成を図ったりする上で、有効な手段となるためのいくつかのポイントを紹介します。
ポイント1 十分な意見交換をした後に行うこと
多数決は、一人一人が自身の考えを挙手により示すことで成立します。
挙手を求める前に、案の内容やそのよさ、課題が十分に理解されている必要があります。
ポイント2 丁寧な説明や確認の後に行うこと
選択肢はいくつあるのか?
「意見がわかれているふたつの案に対して、どちらの意見に賛成するかを尋ねます」
※いくつの案があり、多数決で何を決めようとしているかを始めに確認します。
何回手を挙げることができるのか?
「ひとり1回だけ手を挙げてください」
※誰に挙手の権限があるのかが不明確なまま多数決を行うのは好ましくありません。
どのような状態になったら決まるのか?
「半分以上の人が賛成したら決定します」
※一般的な多数決の原理では、過半数の賛成を得て初めて集団による決定事項として認められます。
最終判断以外の場面で活用する「多数決」
意見の傾向を把握するための多数決
多数ある案をいくつかに整理するための多数決
話合いを分析・整理するための多数決
イラスト/高橋正輝
『教育技術 小五小六』2021年12/1月号より