小6算数「比例と反比例~反比例~」指導アイデア

執筆/埼玉県公立小学校教諭・澁谷拓也
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、浦和大学教授・矢部一夫

本時のねらいと評価規準

(本時11/15時)

ねらい

伴って変わる2つの数量に着目し、比例と対比して考えることで、反比例の関係を理解する。

評価規準

反比例する2つの数量の関係について、比例の関係を基に表などを用いて説明することができる。

問題場面
深さが60㎝の水槽に水をいっぱいに入れるとき、1分あたりに入る水の深さを1㎝、2㎝、3㎝…と変えていくと、それに伴って水槽がいっぱいになる時間はどのように変わりますか?

問題場面

水の深さが1㎝、2㎝、3㎝と2倍3倍になるから、時間も2倍3倍になると思います。

でも、1分間で1㎝ずつ深くなるのだから、いっぱいになるまで60分かかります。2㎝ずつ深くなると30分かかるから、深さが2倍になっても時間は2倍にならないよ。比例じゃないです。

前時に学習した比例の関係とは違うのでしょうか。

1分間に入れる水の深さが増えると、時間はどんどん短くなりそうです。

確かに、入れる水の深さを2倍にしたら、時間は[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]になりそうだね。

比例の時と同じように関係を表に表すと、変化の様子が見られると思います。

では、入る水の深さと水槽いっぱいになる時間がどのように変化するのか表に表して考えよう。

本時の学習のねらい

2つの数量の関係を表に表し、どのように変化するのか考えよう。

見通し

表を使って、水の深さを上の段、時間を下の段に書いて、水の深さが1、2、3㎝…と変わる時の時間を求めてみよう。

比例の時と同じように、表を横にみながら→を引いて深さの変化がどうなるか調べてみよう。

1分あたりに入る水の深さをx、水を入れる時間をyとして関係を表せないかな。

自力解決の様子

A つまずいている子
・表に→をかき入れることができているが、深さの変化に対し、時間が何倍かを求めることができない。
・水を入れる時間の変化を小数倍で表してしまい、2つの数量の関係を正しくとらえることができていない。

B ねらいどおりに解決している子
1㎝から2倍、3倍になる量へ、→と何倍になるのかを書き入れることで、深さと時間の関係をとらえている。

B ねらいどおりに解決している子

C 進んでいる子
xが1㎝を基に2、3、…倍にした の値の変化だけではなく、xが3㎝を基に2倍しても、yの値が[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]倍になっていることを説明している。

C 進んでいる子

学び合いの計画

児童は、これまでの比例の学習で表を基に「変化」や「対応」について学んできました。ここでは比例の学習で学んだ2つの数量の関係を表から読み取る方法について再確認し、反比例の場面での変化の様子の違いを対比することにより、理解を深めることが大切です。

A児には、個別指導で、矢印の終点が矢印の始点の何倍かを求める計算の仕方や、分数で何倍かを表す方法などを確認させ変化の様子をとらえさせます。また、全体の場では、B児の考えを取り上げることで、比例の場合と異なり、xが2、3倍となると、yが[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]倍、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH]倍になることについて、場面と表を関連付けながら確かめることが大切です。

さらに、C児の考えを取り上げることで、この問題場面では、xが1の場合だけではなく、xが1以外であっても2倍、3倍になる時、yが[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]倍、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH]倍になっていることを確認します。それにより、比例の場面と対比することにより、反比例の関係を児童の言葉や考えを基に押さえていくようにします。

また、y(水を入れる時間)は、60÷x(1分あたりに入る水の深さ)で求められることから、y=60÷x、x×y=60と式化できることに気付かせ、比例の場合の式と比較することにより、違いを明確にするのもよいでしょう。

子どものノート例

全体発表とそれぞれの関連付け

B児の表からどんなことが考えられますか。

片方が2倍、3倍、…になる時、もう一方が2倍、3倍、…になっていないので、比例の関係ではないです。

xが2倍、3倍、…になると、yが[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]倍、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH]倍になっているので、yはxの逆数倍になっています。

C児の考えはどうでしょう。B児の考えと同じところや違うところはありますか。

B児は1㎝のところから考えていましたが、C児は、3㎝から2倍にしたらどうなるか考えています。

C児が書き加えているところも、yはxの逆数倍になっているところが同じです。

C児は、1㎝を基にするのだけではなく、3㎝を2倍にしても時間が[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]倍になっているということを書いてくれていますね。

このように、xの値が2倍、3倍、…になると、それに伴ってyの値が[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]倍、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH]倍、…になるとき、「yはxに反比例する」といいます。

反比例では、xが2倍、3倍、…と大きくなると、yは[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]倍、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH]倍、…となっていくね。

逆に、xが[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]倍、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH]倍、…になると、yはどうやって変化していくのか調べてみたいなあ。

まとめ

  • xの値が2倍、3倍、…になると、それに伴ってyの値が[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]倍、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH]倍、…になるとき、「yはxに反比例する」という。
  • 水を入れる時間y分は、1分あたりに入る水の深さx㎝に反比例する。

評価問題

次のxとyが反比例になっているのはどれですか。
① 60㎞の道のりを走る車の速さ(時速x㎞)とかかる時間(y時間)
②周りの長さが16㎝の長方形の縦(x㎝)と横(y㎝)の長さ

子どもに期待する解答の具体例

①はxが2、3、…倍になるとyは[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH]、…倍になっているので、時間は速さに反比例している。
②はxが1が2、3、…倍になっても、yは7、6、5、…と[MATH]\(\frac{1}{2}\)[/MATH]、[MATH]\(\frac{1}{3}\)[/MATH]となっていないので、横の長さは縦の長さに反比例していない。

感想例

  • 表に表すと2つの数量の関係が分かりやすく整理できることが分かりました。
  • 水の深さと入る時間、速さと時間の他にも反比例の関係になる場合を探してみたいと思います。

『教育技術 小五小六』2021年10/11月号より

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!

授業改善の記事一覧

雑誌最新号