作っておくと便利! タブレット端末で使う「結果の共有シート」づくり 【理科の壺】

連載
理科の壺/進め!理科道~理科エキスパートが教える、小学校理科の指導法とヒント~

國學院大學人間開発学部教授

寺本貴啓

全校にタブレット端末が配付されてからはやくも1年が過ぎました。理科の学習ではどのように使用されていますか? 理科ではあまり使わないなと思われている方も多いのではないでしょうか。実は、便利な共有機能を活用すると、これまでよりずっと結果の共有が楽になり、さらに主体的に問題解決する子どもたちの姿が見られるようになります。
今回は、1度作っておくと便利な結果の共有シートを紹介します。優秀な先生たちの、ツボをおさえた指導法や指導アイデア。今回はどのような “ツボ” が見られるでしょうか?

執筆/東京都公立小学校主任教諭・木月里美
連載監修/國學院大學人間開発学部教授・寺本貴啓

1.あらかじめ表計算ソフトで実験結果を入力する「共有シート」をつくる

私の学校ではChrome bookが配付され、Google For EducationのGoogle Workspaceを利用しています。これは、Google スプレッドシート(エクセルと同じような表計算ソフト)で作成したもので、子どもたちが協働して編集できるように設定してあります。このシートを作っておくといつでもすぐに実験結果を共有することができます。

結果の共有シート

2.タブレット端末で結果の共有シートを作っておくと何がいい?

これまでは、黒板や模造紙などに全部の班の結果を記録するなどして結果の共有を行っていたと思います。それをタブレット端末に変えるだけでとても便利になります。
以下の8つを見るだけでも便利だと思いませんか?

①実験結果を瞬時に入力できる。
②黒板や紙に書く順番を待たなくてよい。
③自席で入力できるので、実験中に立ち歩かなくてすむ。
④他の班の結果とすぐに比較できる。
⑤他の班の結果と比べることで、自分の班の結果が妥当であったか検討できる。
⑥他の班と結果が異なるときは、実験を見直すことができる。
⑦結果がデータとして残るため、次時以降にも活用できる。
⑧先生の授業準備が楽になる。

3.実際にどうのように活用するの?

<6年「人の体のつくりとはたらき」の場合>

これは、気体検知管と石灰水を使って、人がはいた空気を調べたときの実験結果です。結果が出たところから入力するため、自分たちの班の結果と他の班の結果をすぐに比較することができます。他の班と結果が異なった班は、班の中で自然と何が原因かを話し合う姿が見られました。

ぼくたちの班だけ酸素が10%で他の班とちがうよ。

途中で気体検知管が袋から抜けてしまったからかもしれないね。

<6年「人の体のつくりと働き」の場合>

次は、唾液のヨウ素液を使った実験でのシートの使い方です。
こちらは、班ごとの結果を書くシートではなく、個人の結果が書けるようにしている表になります。
こちらのシートでは、セルごとに色が変えられることを利用して、色で変化の違いが一目で分かるようにしました

<5年「ものの溶け方」の場合>

物の溶け方で、「水の量を増やすと食塩の溶ける量は増えるかどうか」を調べたときの記録です。50mLで実験した時のシートをコピーし、50mLで溶けた量は赤、100mLにしたときの結果は黒で示しました。前の結果を次の実験にもコピーして活用できるので便利です。温度を上げた場合の実験でも同様に活用しました。

<6年「植物と日光の関わり」の場合>

「日光が当たることで葉で養分が作られるかどうか」を調べたときの結果です。
タブレット端末を使用すると言葉だけでなく、写真や映像で結果を記録することもできます。言葉だけでは変化の様子が伝わりにくいときは、「写真も載せていいですか?」と子どもから主体的にタブレット端末を活用する姿が見られました。

私たちは、「変化なし」としたけど、「少し変化」としている班もあるよ。写真を見ると、私たちの班の様子と似てるかも。もう一回葉の様子を見てみようよ。

今、どこの学校でもタブレット端末の適切かつ効果的な活用方法を求められていることと思います。理科でも「結果の共有シート」で気軽にタブレット端末を使った学習を始めてみませんか。

「このようなテーマで書いてほしい!」「こんなことに困っている。どうしたらいいの?」といった皆さんが書いてほしいテーマやお悩みを大募集。先生が楽しめる理科授業を一緒に作っていきましょう!!
※採用された方には、薄謝を進呈いたします。

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木月里美先生

<執筆者プロフィール>
木月里美●きづき・さとみ 東京都公立小学校主任教諭。大学では理科専攻にて学び、卒業後は学級担任、理科専科を経験。教科書の編集委員として教科書作りに携わる。共著に「これからはじめる”GIGA”全学年・全単元×1人1台端末×活用事例 小学校理科5・6年」(日本標準)「小学校理科『フローチャート型』授業ガイド」(東洋館出版)など。


<著者プロフィール>
寺本貴啓●てらもと・たかひろ 國學院大學人間開発学部教授 博士(教育学)。小学校、中学校教諭を経て、広島大学大学院で学び現職。小学校理科の全国学力・学習状況調査問題作成・分析委員、学習指導要領実施状況調査問題作成委員、教科書の編集委員、NHK理科番組委員等を経験し、小学校理科の教師の指導法と子どもの学習理解、学習評価、ICT端末を活用した指導など、授業者に寄与できるような研究を中心に進めている。


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