「キャリア・パスポート」の活用のポイント
個人目標を意思決定し、主体的に実践するために。キャリア・パスポートの活用のポイントを解説します。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・青木洋俊
目次
「キャリア・パスポート」って、なぜできたの?
どんなものを蓄積するの?
学級活動の中でどう生かすの?
具体的には、どうやって活用するの?
①少し前の自分を振り返る
板書の「さぐる」場面で、少し前の自分を振り返ります。「後期のめあて」であれば、前期を振り返ったり、1年前の後期を振り返ったりします。その際、キャリア・パスポートを活用します。
②少し先の将来を見通す
「後期のめあて」であれば、3月までになっていたい自分の姿を具体的にイメージすることが大切です。そのために、後期には具体的にどんな活動があるのかを見通しておくことも必要です。
③今の自分を見つめる
過去を振り返り、将来を見通した上で、今の自分を見つめます。「見つける」場面で他者と話し合うことを通して、より広い視野で自分を見つめ直すことが大切です。
④個人目標を意思決定する
より適切な個人目標を「決める」ためにも、「キャリア・パスポート」を活用することが大切です。
⑤個人目標を実践する
意思決定した個人目標を実践していくことが大切です。一方で、自身の実践を振り返る場も必要です。折に触れて振り返り、新たな行動改善へつなげていきます。次の活動の①(上図)と重複するイメージです。
「キャリア・パスポート」の保護者・担任のコメント欄
「コメント欄って、ないとだめなんですか?」といった声を耳にすることがあります。
文部科学省の通知には、次のように書かれています。
「大人(家族や教師、地域住民等)が、対話的に関わることができるものとすること」「負担が過剰にならないように配慮しつつも、児童生徒が自己有用感の醸成や自己変容の自覚に結び付けられるよな対話を重視すること」。
文部科学省:「キャリア・パスポート」の様式例と指導上の留意事項
児童のやる気につながるコメントを添えるようにすることが大切です。
(『「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料』(小学校編特別活動)より引用)
イラスト/高橋正輝
『教育技術 小五小六』2021年10/11号より