子ども同士をつなぐ学級づくり!2学期後半の学級経営
2学期後半には、多くの学校行事があるので、学級が、学年が、そして学校全体が、ひとつの目標に向かって一丸となって進む雰囲気が生まれます。子供たちが活動的になる一方で、落ち着きのなさにつながってしまうこともあります。小さな「ほころび」が、やがて学級内の大きな乱れへと広がってしまうこともあります。それを意識しながら10月から行える学級経営の工夫について紹介します。
執筆/山口県公立小学校教諭・榎木道子
目次
つなぐ
学級目標でつなぐ
学級目標をさまざまな学校行事の個人のめあてに生かします。
学校行事の前、見通しや意欲を持って参加できるように自分に合った個人のめあてを立てる時間をとります。
学校行事の後の振り返りでは、学級目標についても教師が価値づけしていきます。
失敗をつなぐ
「失敗から学ぶ」と言われているように、失敗の中に学びが多くあります。教師がすべて解決するのではなく、話合いで解決することを意識しましょう。
ノートやプリントで取り組みを振り返り、失敗を前向きに乗り越えられた解決策を書いたり、失敗から成長できたという自信につなげていったりしましょう。
学校行事や思い出とつなぐ
教室の壁に、これまでの学校行事、日々のイベント、学級などでの思い出を短冊に書き、成長年表として掲示していきます。子供と教師のコメントや写真をそこに入れるなどの工夫もできます。
それにより、学校行事やイベントを通した自分たちの成長を振り返ることができます。子供一人一人が感じることは違っても、2学期後半の学校行事や学級づくりの意欲へとつながっていきます。
子供と子供をつなぐ
学級の中で子供たちが安心して発言できる居場所をつくるためにひと工夫をしていきましょう。
★グループ日記
4〜5人のグループで1冊の日記帳に、テーマを決めて自分の思いを書いていきます。教師とグループの全員が簡単なコメントを入れて返します。
グループ日記は、みんなの目に触れるものであることを伝え、誰が読んでも嫌な気持ちにならない内容にするなどの共通理解が必要になります。
このように一人一人の思いを共有することは、学級の仲間としての意識を高めることにもつながります。
育てる
自尊感情を育てる
自己肯定感、自己有用感などの自尊感情は他者とのかかわりの中で育つものです。学校行事や活動の多いこの時期に、一人一人が自分の成長に目を向ける時間や場をつくっていきましょう。
イラスト/菅原清貴
『教育技術 小五小六』2021年10/11号より