保護者との信頼関係で悩まないようにする!6つのポイント
教師は、保護者が少しでも安心できるように努めていかなければなりません。子供や保護者との「信頼関係」をつくるためのポイントをお伝えします。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・江原和宏
目次
子供・保護者が安心できるように
昨今の状況から、授業参観や各学校行事などの縮小により、保護者が子供の学校生活を知る機会が減っています。そのため保護者のなかには、子供の学校での様子が分からず、不安になっている方も多くいるのではないでしょうか。
保護者は、自分の子供の様子や話から、学校での生活を想像することが多いと思います。わが子にどれだけ心を砕いてくれているのか、わが子の成長に合った適切な指導をしてくれているのかなど、担任に寄せられる相談には、担任への期待が多く含まれています。
教師は、日頃から子供たちの学校の様子を伝える場をつくり、保護者が少しでも安心できるように努めていかなければなりません。日頃から子供や保護者との「信頼関係」をつくるためには何が必要かを考えていきましょう。
日頃からできること
①がんばっていることを伝える!
普段から、一人ひとりのがんばりをこまめにメモする習慣をつけましょう。そうすることで、連絡帳を受け取ったときや欠席などの電話連絡を受けたときに、子供のがんばりをひと言付け加えて伝えることができます。よいことをほめる機会をつくることは信頼関係を築くうえで大切なことです。
②学級の雰囲気を学級通信で伝える!
学級通信で自分の学級の様子を伝えることで学校生活の話題も家庭で増えることが考えられます。子供を通じて、友達関係や先生の方針や考え方を知る機会は、学校生活への安心感を高めることにつながっていきます。
③その日の出来事は、その日に解決する!
子供が笑顔で登校して、満足した表情で帰宅できるよう、教師はいつもアンテナを張り、子供たちが満足して一日を終えられるようにすることが大切です。もし表情が浮かない子供がいたときには、ていねいな対応を心がけ、何か困りごとがある場合は、解決してから帰すようにしましょう。
相談を受けてからでもできること
④チームで対応する!
普段から学年間で情報共有をすることが鉄則ですが、保護者対応が必要な場合は、学年や周りの先生に相談してから対応しましょう。それでも解決できない場合は、学年や周りの先生に近くにいてもらい、相談しながらていねいに保護者対応を行い、解決方法を見付けていきましょう。
⑤批判よりも共感し、受け止める!
保護者の考え方に対して批判をせずに、共感し受け止める姿勢を大切にして対応しましょう。担任が保護者の意向を受け止める姿勢を感じてもらえるようになります。ていねいな言葉遣いを心がけ、相手が納得できる姿勢を示しましょう。
⑥保護者の気持ちを考えた会話の内容にする!
保護者と同じように真剣に子供のことを考える姿勢を、教師自身も大切にすることが欠かせません。すぐにアドバイスや提案をするということでなく、保護者と一緒に子供のことを考える姿勢を大事にして、一番の解決方法を考えましょう。
信頼関係を築くうえでは毎日の積み重ねが大切。保護者対応が生じた場合でも、焦らずに保護者の願いに寄り添い、子供の成長のために一緒に考える時間と捉えましょう。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2021年10/11月号より