絵本を活用して、「思いやりの心」を育もう!
目次
コロナ禍だからこそ、思いやりの心が重要
長らく続くコロナ禍により、子供たちは集団活動が制限されたり、マスク生活で友達の表情が読み取りづらかったりするなかで、学校生活を送っています。平時と比べて、相手の表情や行動から気持ちを察して、友達を思いやるという心が育ちにくい環境といえるのかもしれません。
そこで、身近な存在である友達や家族を思いやる気持ちを育む絵本を紹介します。朝の会などでの読み聞かせや、授業で活用してください。
思いやりの心を育む!おすすめ絵本
『100えんのにじ』
フレーベル館 作/くすのきしげのり 絵/にきまゆ
誰も信じず生きてきたタヌキのだいごろうは、道に迷ったりょういちに出会います。だいごろうは、「おい おまえのほしいものを いってみな」とからかいますが、りょういちは「にじがいい」と素直に答えます。すると今度は、「100えんで にじを おまえに うってやろう」と、だいごろう。りょういちは、その日からお小遣いを貯め…。相手を信じる心を純粋に描きました。
『ほんとうのことを いってもいいの?』
BL出版 文/パトリシア・C・マキサック 絵/ジゼル・ポター 訳/福本由紀子
リビーはお母さんに嘘をつき、友達と遊びに行こうとします。はじめてお母さんについた嘘。お腹が苦しくて、涙があふれて…。その日から、リビーは本当のことだけを言おうと誓います。ところが、正直になろうとすればするほど、友達を傷付けてしまいます。「まずは相手の気持ちを思いやることから」。そんなメッセージが伝わってくる一冊です。
『3びきの かわいい オオカミ』
冨山房 文/ユージーン・トリビザス 絵/ヘレン・オクセンバリー 訳/こだまともこ
3匹のかわいいオオカミは、ある日、自分たちの家を作ることにしました。しかし、何度、丈夫な家を作っても、意地悪なブタに壊されてしまいます。そこで、美しい花の家を作ることにしました。優しいオオカミの考えに、意地悪なブタも心を開き始め…。思いやりの心を教えてくれます。
『ともだちなんかいらない』
小学館 文/内田麟太郎 絵/喜湯本のづみ
おばけのギザギザは、「ともだちなんかいらない」が口癖です。ある日、森の動物たちの仲よしごっこを眺めていると、隣にとんがりおばけのイガイガがやって来ました。「ともだちなんかいらない」という価値観が一致した二人は、なんとなく二人でいるようになり…。心が通じ合う友達を得ることのすばらしさが描かれています。
「絵本を活用した授業づくり」について、さらに詳しく知りたい方へ
絵本を活用した授業づくりをより詳しく知りたい先生には、京都女子大学准教授・齊藤和貴先生の『絵本で広がる小学校の授業づくり』(小学館)がおすすめです。主体性を育む、多様性を理解するなどの14のシチュエーション別に、312冊の絵本の紹介や活用法を解説。教科別の授業例も紹介しています。
『豊かな心と思考力を育む
絵本で広がる小学校の授業づくり』
京都女子大学発達教育学部准教授
齊藤和貴/著
B5判/112p、オールカラー
〈著者プロフィール〉
齊藤和貴(さいとう かずたか)
京都女子大学発達教育学部准教授。元小学校教諭・司書教諭。東京都公立小学校及び東京学芸大学附属小金井小学校、附属世田谷小学校で28年間、教育活動や授業実践に取り組む。その間、生活科や総合的な学習の時間を中心に指導法やカリキュラム、評価方法の工夫・改善を図り、「子供とともにつくる授業」の創造に励む。また、司書教諭の経験を生かし、「絵本を活用した授業づくり」にも取り組んできた。
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