「エコスクール」とは?【知っておきたい教育用語】
環境負荷低減などの観点から、世界的にも取り組みが進められている「エコスクール」。環境教育にも関わり、社会的要請が今後さらに高まっていくと考えられるテーマです。その要点を押さえておきましょう。
執筆/創価大学大学院教職研究科教授・宮崎猛

目次
エコスクールの基本的な考え方
「エコスクール」は環境に配慮して整備された学校施設のことで、文部科学省はその普及・拡大を推進しています。エコスクールでは、学校を環境負荷の低減や自然との共生を図る施設とすることで、地域の環境保全に対して先導的な役割を果たすことが期待されています。
また、施設として環境を考慮するだけではなく、それを教材として児童生徒への環境教育に活かすことが期待されています。
エコスクールの整備に際しては、次の3つの点に留意するものとされています。
●施設面……やさしく造る
・学習空間、生活空間として健康で快適である。
・周辺環境と調和している。
・環境への負荷を低減させる設計・建設とする。
●運営面……賢く・永く使う
・耐久性やフレキシビリティに配慮する。
・自然エネルギーを有効活用する。
・無駄なく、効率よく使う。
●教育面……学習に資する
・環境教育にも活用する。
エコスクールが求められる背景
エコスクールが求められる背景には、地球温暖化などの環境問題が人類の未来の生存、繁栄にとって世界共通の懸案事項となり、各国が協力して取り組む重要課題となったことが挙げられます。
学習指導要領においても、各教科の指導内容を通して環境問題への関心を高め、児童生徒が自分の問題として捉え、解決策を考案したり、実践したりしていくための資質育成が求められています。児童生徒が日常的に生活し、学んでいる場である学校が環境に配慮していなければ、そのような資質育成を図ることは難しいでしょう。
また、学校は防災等地域の拠点となる施設です。学校は「エコ」に対して児童生徒に対しても、また地域に対しても模範となる施設であることが求められるようになったのです。