小4算数「倍の見方・割合」指導アイデア《差による比較と割合を使った比較》

特集
1人1台端末時代の「教科指導のヒントとアイデア」
小4算数「倍の見方・割合」指導アイデア

執筆/富山県射水市立大島小学校教諭・前田正秀
監修/文部科学省教科調査官・笠井健一、前・富山県南砺市立福光東部小学校校長・中川愼一

小四算数 年間指導計画

単元の展開

第1時 何倍かを求める計算(例:親クジラ15m、子クジラ5m → 何倍?)

第2時 比較量を求める計算(例:子キリン2m、親キリン3倍 → 親キリンは何m?)

第3時 基準量を求める計算(例:親ヒョウ12㎏、子ヒョウの6倍 → 子ヒョウは何㎏?)

第4時(本時)差による比較と割合を使った比較

第5時 まとめ・たしかめ

本時のねらい

(割合を求める計算、比較量を求める計算、基準量を求める計算の3通りを学習した後)
ある二つの数量の関係と別の二つの数量の関係との比べ方について、差で比べることはふさわしくない場面があることに気付き、割合を使って比べることについて考える。

評価規準

簡単な場合について、ある二つの数量の関係と別の二つの数量の関係との比べ方を考察し、場面に合った比べ方をしている。(思考・判断・表現)

本時の展開



ある店で、トマトとミニトマトをねあげしました。トマトは1こ100円が200円に、ミニトマトは1こ50円が150円になりました。ねだんの上がり方が大きいのは、どちらと言えますか。

値段の上がり方が大きいのはどちらでしょう。

どちらも100円値上がりしています。同じだと思います。

でも、元の値段が違うよ。100円が200円になるのと、50円が150円になるのと、同じ上がり方と言っていいのかな。

同じ100円の値上げでも、トマトは2個分の値段なのに、ミニトマトは3個分の値段になっている……。

もしもミニトマトが2個なら100円から300円に、200円も値上がりする……。

それでは、どうやって比べたらよいのでしょうか。元の値段が違う場合の比べ方について、考えていきましょう。



元にする大きさが違う場合の比べ方を考え、説明しよう。

見通し

ミニトマトのほうが値段の上がり方が大きそう。(結果の見通し)

何倍かを求める割り算を使えば、比べられそう。(方法の見通し)

自力解決の様子

A つまずいている子

値段の上がり方は同じ。
・差が同じだから値段の上がり方も同じだと考えている。


B 素朴に解いている子

ミニトマトのほうが高くなっている。
・ミニトマトを100円分買うとしたら、値上がり後は300円になるから、トマトの200円よりは高くなるので、ミニトマトのほうが値段の上がり方が大きいと考えている。


C ねらい通り解いている子

ミニトマトのほうが高くなっている。
・何倍になっているかで比べればよいことに気付き、値上がり後2倍になるトマトより、値上がり後3倍になるミニトマトのほうが値段の上がり方が大きいと考えている。

学び合いの計画

比べ方には大きく分けて、差で見る場合と割合で見る場合があります。子供たちはこれまで、大きさを比べる場合には、差で比べる経験を多く積んできました。

イラスト/横井智美、やひろきよみ

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