【相談募集中】通級指導教室に校外から通う児童について悩んでいる

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先生のための個別相談サービス【みん教相談室】相談&回答一覧

岡山県公立小学校教諭

南惠介

みん教相談室」に、校外から通級指導教室に通う児童について悩んでいるという先生から相談が届きました。ここでは、特別支援教育をベースとした学級経営を提唱されている岡山県公立小学校教諭・南惠介先生の回答をシェアします。

イラストAC

Q.校外から通級してくる児童について悩んでいます

公立小学校の通級指導教室を担当しています。校外から通級してくる児童について悩んでいます。

自校と比べ学校の雰囲気やクラスの雰囲気もよく分からない面が多く、悩みが尽きません。通級が楽しくないとか、どうして通級に通わなくてはいけないのと言われると、そのたびに心が痛みます。

  • 特別支援教育に対する壁や偏見
  • 校外なので通級するためにお昼休みなどに遊ぶこともできず早めに授業を抜けてこなくてはいけない
  • 指導計画は作っているものの同じ学校にいるわけではないためズレが起きやすい
  • 教師の指導の未熟さ
  • ニーズに合った指導ができていない私の問題

様々な問題が絡むため、冷静に一つずつ問題を分析して真摯に対応していかなくてはいけないと感じています。

ただ、冷静に考えている一方で、私自身のメンタルが弱く、「早く担当が変わればいいのにって思っているだろうな。私でなければこんな問題は起きなかったのかもしれない」など余計な思考が渦巻きのようにやってきます。

教師として、自身のメンタルケアができることが必要だと思います。

人間なんだから失敗もするし全ての人に好かれようと思ってはだめと分かっていても、負の感情がループし、原因究明や対策に進むまでに一度自分を責めてからでないと向き合えないのが私の弱い面だとつくづく感じます。

そこで質問です。

どのように思考していくと負のループに陥らずに進めるのでしょうか。また、日常的に相談できる、教師のためのコーチングサービスのようなものはありますか。

(たこやき先生・40代女性)

A.自分でコントロールできることだけに集中しましょう

通級指導教室での指導はそもそも難易度が高いと思います。そして、教育は「自分だけでなんとかしよう」と考えると苦しくなり、袋小路に入ってしまうようなところがあります。

先生がどんなに一生懸命やっても、子供やその保護者が「通級が合わない」と感じれば、通わなくなります。そのような場合でも、ある程度は「仕方ない」と考えるようにした方がよいと思います。その上で、「自分のコントロールできること」に集中するようにします。

通級(に限りませんが)での優先事項について、僕自身は次のように考えています。

1 楽しくホッとする空間を作る。

先生がまず笑顔で迎えてくれるだけでも、子供は「来てよかった」と思えるものです。そして、悩んでいる保護者に答えを教えるという姿勢ではなく、傾聴する姿勢が保護者に安心感を与え、後のアセスメントにもつながっていきます。専門的な情報を伝えすぎることで保護者との関係が悪くなることも、往々にしてあるのです。

2 「楽しかった」と思える活動を一つ入れる。

例えば、パズルやクイズ、難しければ(苦手な子ももちろんいます)じゃんけんなどの簡単なものでもよいでしょう。家には無い知育玩具などを使うのもおすすめです。

3 保護者がなるほどと思える活動を一つ入れる。

ビジョントレーニングや感覚統合(*)的な活動を取り入れましょう。

*ビジョントレーニング……視覚能力を向上させるトレーニング。目にしたものを正しく認識したり、自分のイメージした通りに体を動かしたりする機能を高める。
*感覚統合……作業療法士A.J.Ayres⦅米⦆が用いた用語で、適切な行動をとるために複数の感覚情報を処理したりまとめたりすること。

ビジョントレーニングでは、例えば、「教師の指の動きを首を動かさずに目だけで追う。あるいは、左右または上下に開いた指を交互に見る」などが、保護者にも分かりやすくてよいでしょう。「点つなぎ」などもよいと思います。

感覚統合的なものだと、「近い距離でのキャッチボールや的当て」「あやとり」なども簡単に行うことができます。

ただ、子供を伸ばしていく核となるような具体的なネタや方法について、フィットするものをすぐに見つけられるものではありません。根気強く取り組んでいきましょう。


悩みが尽きない。いいじゃないですか。僕もそうです。悩むことなく、悪いのは子供や保護者と考え、それで終わってしまう先生の方が逆に心配です。ただ、やっぱり自分でコントロールできることに集中しましょう。可能な範囲で、本を読んで知識を得て方法を知り、教材や教具を工夫する。そして子供がいる時間の流れを一生懸命考え、実践する。それで十分だと思います。

負のループに陥ることは僕自身もしばしばあります。そういう時は、問題点と、今の時点でできそうなことを書き出してみます。その上で、優先事項を決めて、あとは「淡々と事務的に」遂行していく。書き出すことで、客観的かつ俯瞰的にみることができ、心は軽くなっていきます。

コーチングサービスのようなものは、あるかもしれませんが、恐らく玉石混淆(こんこう)です。それよりも、近くにいる先生方、特に忙しそうにしている先生を頼ってみるのがいいと思います。「わからない」「困った」が言える先生は強いです。自分のことを一生懸命やり、そしてほんの少し他の先生の手伝いもし、その上で「わからない」「困った」と言える先生のところに援助の手は伸びてきます。

「これは自分自身にも当てはまるな」と思いつつ、質問を読ませていただきました。少しでも先生の心が軽くなり、今を味わいながら充実感を得られる毎日を過ごしていけるよう願っています。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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