小2国語「お手紙」指導アイデア

教材名:「お手紙」(光村図書二年下)

指導事項:〔知識及び技能〕(1)ク 〔思考力、判断力、表現力〕C(1)イ
言語活動:カ

執筆/福岡県公立小学校教諭・安武 亮
編集委員/文部科学省教科調査官・大塚健太郎、前・福岡県公立小学校校長・松中保明

単元で付けたい資質・能力

①身に付けたい資質・能力

音読する活動を通して、場面の様子や行動など、内容の大体を捉えるとともに、登場人物の行動を具体的に想像する力を育成します。

② 言語活動とその特徴

本単元には「叙述を基に想像したことを生かして、音読劇をする」という言語活動を位置付けます。声に出して読むことが大好きなこの時期の子供たちの発達段階を生かしながら、①「身に付けたい資質・能力」を育てます。

本教材は、会話文が中心の作品です。会話の際の二人の位置や距離、しぐさ、顔の向きなどに着目することで二人の行動を想像しやすいつくりとなっています。また、「音読劇」は、声による工夫はもちろん、簡単な動作をつけられるため、登場人物の行動を自分なりに再現し、捉えることができます。

特に、物語を捉える場面では、「いつ」「誰が」「どこで」「どうした」という視点で、二人の行動を捉えるようにします。視点をもって読むことで、異なる登場人物の表情や口調の違いや場面の違いを捉え、登場人物の行動を具体的に想像することができるようになります。

単元の展開(12時間扱い)

主な学習活動

第一次(1時)

①今までの音読の学習をふり返ったり、題名からどのような物語かを想像したりして「お手紙」を読み、学習課題と学習計画を立てる。

【学習課題】お話を読んでそうぞうしたことを、音読げきであらわそう

第二次(2~7時)

→アイデア1 主体的な学び

②③場面や登場人物の行動、会話を整理し、内容をおおまかに捉えて音読する。

④⑤⑥一~三の場面での、がまくんやかえるくんの行動を具体的に想像し、二人になりきって音読する。

⑦お手紙を待つ二つの場面の違いを考え、そこで想像したことを生かして音読する。
→アイデア3 深い学び

第三次(8~12時)

→アイデア1 主体的な学び

⑧音読劇で読みたいところを選び、ペアや役割を決めたり、読み方や動作などの工夫を叙述に書き込んだりする。

⑨同じ場面のグループごとに練習し、感想を伝え合ったり、助言をし合ったりして、自分の音読のしかたを見つめ直す。
→アイデア2 対話的な学び

⑩友達の読み方や助言などから得られた気付きを基に、自分の音読のしかたを自己評価し、改善していく。

⑪音読劇をする。

⑫単元をふり返って、自分の読む力の伸びを確かめる。

アイデア1 音読のさらなる工夫改善を促す「なりきり度チェックリスト」

主体的な学び

本単元には「叙述を基に想像したことを生かして、音読劇をする」という言語活動を位置付けています。音読劇のねらいは、物語から捉えたことを音読で表出することにより、物語に対する理解を一層深めるということです。

朗読が「表現のための読み」に重点があるのに対して、音読は「理解のための読み」に重点があります。読むことで、作品に対する自分の理解を深めることを目的としています。

この時期の子供は、声に出して読むことが大好きです。声に出して読むうちに、内容の大体を捉えていき、「どうしてこんなことしたのかなあ」と登場人物の行動に着目し、問いをもつようになります。

すると、もう一度何が書いてあったかを探るために、場面の様子に注意して音読するようになります。語彙が少ないため、この時期の子供の音読は、自然に想像したことが表れ、また想像したことを表そうとすることもできます。

しかし、低学年の子供が自らの音読の問題点を自覚するというのは、難しい課題となることでしょう。そこで、「なりきり度チェックリスト」を活用し、ペアの友達に評価をしてもらうという方法があります。

▼なりきり度チェックリスト

なりきり度チェックリスト

指導した内容に沿って作成した、いくつかのチェック項目をワークシートで提示するというものです。自分の音読の問題点を捉えるきっかけを作ることで、子供が自らの学びを調整する姿を後押しすることができます。

クラスの実態によっては、「中間評価」の場面として、教師が評価を行ったり、自分で自己評価したりするという方法も設定できるでしょう。

アイデア2 対話を通して理解を深めるグループ音読活活動

対話的な学び

音読劇で自分が表現したい場面が決まったら、その場面ごとのグループをつくり、音読劇を設定するとよいでしょう。その際、次の観点に沿って話し合い、教科書の叙述に書き込みをするようにします。

①誰が言った言葉か
②どんな声で読むか
③どんな表情や動きで伝えるか

▼書き込みの例

書き込みの例

この話合いで決めた、声の出し方や動きを基にして、なりきり音読劇ごっこ(好きな場面ごとにグループをつくっても楽しそうです)をグループで納得のいく音読劇に高めていくようにします。

その際、そう読もうと思った「わけ」を「私だったら……」「僕も前に……」というような自分の経験と結びつけて考えたことを基に話し合うと、具体的に様子を想像することにつながり、効果的です。

すると、「音読してたら気付いたんだけどね…」「どうしてかえるくんはこうしたかというと…」と、登場人物の行動と場面の様子を音読で結ぶ発話が出てきます。その機を捉え、想像しながら読む楽しさにつなぐとよいでしょう。

このような過程を経て、言葉の響きや動作を工夫しながら音読を重ねていくうちに、子供は「音読しながら友達と繰り返し物語を読むと、気付かなかった登場人物の気持ちに気付けてうれしいな」と考えることでしょう。

叙述と表現を行き来するなかで、場面の様子や登場人物の行動に対する理解が一層深まることが期待されます。

アイデア3 言葉への見方や考え方を働かせ、場面を比較しながら読む活動

深い学び

ここでは、行為は似ているが気持ちが異なる「手紙を待つ」二つの場面を比較する活動を取り入れます。

▼二つの場面を比較

二つの場面を比較

登場人物の状況と文に書かれている気持ちや行動がつながっているね

二つの場面の違いが明確になるように、対比的に板書します。また、挿絵の違いにも着目させ、場面の様子や登場人物の行動の変化を捉えるようにしたいものです。例えば、同じ「待つ」でも、「何も来ないのを悲しい気持ちで待つ」のと「何かが来るのを楽しみに待つ」のとでは、登場人物の気持ちに違いがあることに気付かせるようにします。

このように場面を比較しながら読む活動を通して、言葉への見方・考え方を働かせ、【対象の状況】と【言葉のつながり】を見いだすように仕組みます。すると、子供は場面の様子に着目し、登場人物の行動をより具体的に想像する深い学びへと誘われていくことでしょう。

イラスト/横井智美

『教育技術 小一小二』2021年8/9月号より

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