小4国語「新聞を作ろう」板書の技術

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見やすく理解しやすい「単元別 板書の技術」京都女子大学附属小学校特命副校長 吉永幸司監修
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今回の教材は、「新聞を作ろう」です。小4の板書は、子供の思考過程を整理していきます。新聞の特徴を捉えやすい板書にチャレンジしてみましょう。

監修/京都女子大学附属小学校特命副校長・吉永幸司
執筆/埼玉県公立小学校教諭・飯塚ひろみ(せせらぎの会)

 

単元名 事実を分かりやすくほうこくしよう
教材名 「新聞を作ろう」(光村図書 4年)

単元の計画(全12時間)

第一次 学習の見通しをもつ(2時間)
1 単元のめあてを確認し、新聞の特徴を知る。
2 グループごとにテーマを決め、新聞作りの計画を立てる。

第二次 取材をして、グループごとに新聞作りをする(9時間)
3 新聞の作り方の手順や取材方法などについて確かめる。
4~6 取材を行い、記事に使うものを選ぶ。
7 割付と新聞の題名を決める。
8・9 記事の下書きをし、見出しを考える。
10 下書きを読み合い、推敲して見出しを決める。
11 清書をして、新聞を仕上げる。

第三次 新聞を読み、感想を伝え合う(1時間)
12 各グループの新聞を読み、感想を伝え合う。
  学習を振り返る。 

板書の基本

○子供の考えや気付きを生かした板書

書くことの指導で表現の工夫を見つける学習では、子供自身がその表現のよさや効果に気付けるような場を設定することが大切です。

インターネットの普及により、子供たちは新聞に触れる機会が少なくなっています。そこで本単元の導入では、子供たちが教科書で取り上げている学級新聞の例や実際の新聞を見る時間を十分に確保し、新聞の理解を深めます。新聞を自由に読み合ってから、気付いたことや見つけた表現の工夫を発表させ、板書します。「見出し」や「発行者」「発行日」などは、馴染みのない言葉なので丁寧に説明を加えながら、子供の発言を整理し、板書を仕上げていきます。

○書き方の工夫を視覚的に捉え、新聞作りに生かせる板書

新聞づくりでは、書き手の伝えたいことや読み手の知りたいことを、事実に基づいて、わかりやすく書くことが大切です。

そのために本単元では、実際の新聞の拡大コピーと用語を示す短冊を、黒板で対応させながら板書していきます。そして、次のことに気付かせます。

・トップ記事は、最も伝えたいことを強調して書き表すことで、より印象的にわかりやすく伝える効果があること。

・見出しを読むだけで、記事の概要がつかめること。

・事実に基づいた「写真」や「グラフ・表・図」などを使うことによって、具体的でわかりやすくなること。

以上のことに気付かせながら、新聞の特徴を視覚的に捉え、工夫して書かれている新聞のよさを実感させます。そして自分の記事作りに生かせるようにします。

板書を活用した授業の進め方(1/12時間目)

小4国語「新聞を作ろう」板書の技術 板書
1/12時間目の板書

1 新聞や教科書を読み、学習への興味をもつ

本単元のめあて「事実を分かりやすく伝える新聞を書こう」と板書します。そして、リード文から「新聞は、さまざまなじょうほうを多くの人に知らせる目的で作られる」ことを押さえ、板書します。

次に、教室の子供たち全員が見られるように、実際の新聞と子供向けの新聞を用意し、新聞に触れる時間を確保します。

新聞について興味をもち、理解が深まった段階で、本時のめあて「新聞の特ちょうを調べよう」と板書します。

2 新聞について気が付いたことを見つけ、話し合う

子供向けの新聞を黒板に貼り、子供たちにはコピーした新聞を配付します。そして、新聞にはどのような書き方の工夫があるか、気が付いたことを発表させ、板書します。「見出し」や「写真・絵」「グラフ・表」などの短冊カードを貼り、新聞の特徴を整理します。

その後「分かる」「分かりやすい」という言葉に赤チョークで波線を引き、読み手にわかりやすく伝えるための工夫がなされているということに気付かせます。

最後に、新聞の特徴をまとめ「新聞は分かりやすく伝えるために工夫して、さまざまな記事をのせている」と、黄色のチョークで板書します。

3 本時の振り返りをする

新聞の特徴を板書で確かめ、本時の振り返りを書かせます。

板書を活用した授業の進め方(7/12時間目)

小4国語「新聞を作ろう」板書の技術 板書
7/12時間目の板書

1 本時のめあてを確認し、「わりつけ」という用語を知る

本時のめあて「分かりやすく伝えるためのわりつけを決めよう」と板書し、「わりつけ」の意味を確認します。

2 教科書の新聞の例を基に、割付について理解する

教科書の新聞例を見ながら、次の手順で確かめます。

①新聞例を黒板に貼り、記事を読む。

②色別のマーカーで囲み、4つの記事が掲載されていることを確認する。

③記事の大きさを捉え、「トップ記事」について知る

④記事の枠組み図を「わりつけ用紙」として黒板に貼り、同じ色で囲む。

3 割付の仕方を理解させる

「わりつけ」は次の手順で行うことを指導し、板書に整理します。

①「トップ記事」を決める。

②割付用紙を使って「わりつけ」を決める。

・「わりつけ」を決める際には、「伝えたいことを分かりやすくするための大きさや場所」を考えることが大切であることを理解させ、黄色のチョークで板書する。

・「見出し」「写真・絵」「グラフ・表」の短冊を貼り、「分かりやすく工夫する」と黄色のチョークで板書する。

③新聞の名前を決める。

・グループのテーマやめあてに沿って新聞の名前を話し合わせる。

4 グループで話し合い、割付を決める

板書を見ながら自分たちの新聞をイメージし、話し合わせます。

5 学習の振り返りをする

グループごとに決まったことを発表し合い、本時の振り返りを書かせます。

 

構成/浅原孝子

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