【相談募集中】採用試験に受からず、教師に向いていないのでは…と落ち込む日々です

神奈川県公立中学校 教頭

鈴木夏來

講師として働きながら採用試験を目指しているcocoya先生。頑張っているものの、受からずに心が折れそうと「みん教相談室」に相談が寄せられました。神奈川県公立中学校教頭・鈴木夏來先生は、合格に向けた対策とともに、力強い言葉で勇気づけました。その内容をシェアします。

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Q、採用試験に受からず、周囲からのプレッシャーもあってつらい

企業から転職し、公立中学で2年間副担を、現在は小学校の担任を講師として受け持っています。免許は中高のみ。採用試験の勉強を一生懸命しているのですが、受からず、向いていないのかと心が折れかけています。

これまでに、「講師は年契約だから」と子どもに話す先生がいて、個人的にはとてもつらかったです。また、先生の数が足りてないというニュースが多く、講師は貴重という話をする反面、「人手不足なのに、なかなか受からない」とか、「なぜ受からないのか不思議だね」という声も聞こえてきます。

悪気はないと思いますが、受かっていない身としては、とてもつらいです。勉強に臨む姿勢が甘かったりするかもしれませんが、そういったことを言われて、自信がなく、私には向いていないのかと思うばかりです。

また、仕事も先輩や同僚に聞きながら進めているつもりですが、いろいろ聞いていると「聞くばかりではなく、見てなんとなく覚えるのも経験だよ」と指導をいただき、何から手をつけてよいかわからないです。(cocoya先生・20代女性)

A、自治体や教科、校種によって難易度は変わります。周囲に惑わされず、合格に向けて対策を!

cocoya先生、勇気を出して「みん教相談室」に相談くださったことに、まずは感謝申し上げます。ありがとうございます。

相談するということは、「現状のままではいけない」「今の自分を変えてみたい」「できるものならば、なんとかしたい」そんなcocoya先生の心の表れだと察します。

まず、お答えするにあたり、ご承知おきいただきたいことがあります。

今回のご相談の文面からは、cocoya先生が取得している免許状の教科(国語、数学、音楽、外国語 等)や目指している校種(小・中学校・高等学校・特別支援学校 等)は分かりかねます。

したがって、その教科や校種、地域に特化したお話をするのは難しいところです。 そのうえで以下、回答します。

■採用者の数とは、「椅子の数」のこと

採用予定者の数は極端にいうと、子どもの数ではなく、退職者の数で決まります。定年退職者が5人いれば、5人を採用します。定年退職者が0人ならば、採用は0人です。100人の退職者が出る予定ならば、100人を確保しようとします。このように、教員採用試験の倍率は波がたいへん激しいのが特徴です。またその波には地域差が確実に存在します。

cocoya先生は、少なくとも2回ほど採用試験を受けたのだと察します。どの地域、どの校種、どの教科なのかが非常に気になります。椅子の数は地域・校種・教科によってグラデーションがあるからです。「採用試験の勉強を一生懸命しているのですが」とありますが、椅子の数が少ないところを受験しても、合格するのは困難でしょう。椅子の数が仮に多くても、運が悪ければ本来の力が発揮できないこともあります。

■どうやっても傷つく情報は入ってくる

同僚の心ない声を聞き、「悪気はないと思いますが、受かっていない身としては、とてもつらい」とありますが、cocoya先生と同僚とは、そもそも教科や倍率が異なるので、的を射たものではないと私は思います。

しかし、条件が違うことくらい頭の中では理解したつもりでも、やっぱり傷ついてしまう。そういうものですよね。その悪気のない発言について、誰かが注意したりフォローを入れたりしても、つらい。「採用試験に受からなかった人もいるのだから、配慮するように」などという指示があろうものならば、その配慮がやっぱり、つらい。

何をされても、どうやっても、傷つくような情報は入ってきます。とことん自信を失うものだと思います。それは、たいへんつらいことです。

■複数の自治体を受験することを検討する

教員になりたいという気持ちが何よりも強い。したがって、教員になることさえできれば、働く場所にこだわりがない。そうであるならば、複数の自治体を受験することをすすめます。それは次のような理由からです。

  • 合格しやすい(椅子の数が多い)自治体が必ずといってよいほど存在する
  • 複数受けることで、受験慣れすることができる
  • 一つ合格することで、自信がつく
  • その自信が本命の自治体での自信につながる
  • 結果として本命の自治体での合格につながる
  • とりあえず数年、合格した自治体で働き、時期を待つ
  • 本命の自治体の倍率が下がる見込みの〇年後、また受ければいい

■臨任で1次試験や2次試験が免除される自治体を探す

臨時的任用教員での経験を2年(累計24ヶ月)程度積むと、1次試験や2次試験の一部が免除されることがあります。どこまでが免除かは、自治体により異なります。cocoya先生は公立中学校で2年間、副担任を務められたとのこと。免除の対象となるのではないでしょうか。免除は、他の自治体でも有効になることがあります。そちらも含めて、ご検討ください。

■自治体が実施する教師塾に通うことを検討する

都道府県教育委員会や、政令指定都市で実施している教員育成研修。いわゆる教師塾。大学生がメインターゲットとなっていますが、社会人も受講することが可能です。コースを修了すると、教員採用試験の1次や2次試験の免除、さらには採用まで保証するコースもあります。

レポートや論文等の課題があり、受講費用もかかりますが、真面目に受講すれば、免除ないしは翌年度採用となります。講師を続けながら受講するのは時間的・体力的に難しいところですが、何より合格したいならば、講師を続けることを1年間ガマンして、教師塾の受講を検討するのはいかがでしょうか。

最後になりますが…

自分に自信がなく、教師に向いていないのではないかという不安。それでいいんです。自信たっぷりである必要もないし、自分が教員に向いていると思わなくてもいい。そんな謙虚な方こそ、誰よりも教員に向いていると私は思います。

心の折れかかった児童・生徒の気持ちに寄り添うことができるからです。

「進学も就職も失敗ばかり。人生そのものに、何から手をつけてよいかわからない。どうすればいいですか、cocoya先生?」

そんな悩みを抱える児童・生徒、教え子や保護者とこの先、何度となく向き合うことになるでしょう。cocoya先生の貴重なご経験を今後、生かしてほしい。心から願っています。


いかがでしたか?
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。
ぜひ、お気軽にご相談ください。

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