小5外国語 Unit 3「What do you want to study?」指導アイデア①
文部科学省視学官の監修による、小5外国語科の授業案です。1人1台端末を活用した活動のアイデアも紹介します。今回はNEW HORIZON Elementary 5 Unit 3 「What do you want to study? 夢に近づく時間割を紹介しよう」の単元の第1時~第4時を扱います。
執筆/高知県教育委員会東部教育事務所指導主事・溝渕晴子
監修/文部科学省視学官・直山木綿子
監修/高知県教育委員会事務局指導主事・江渕由紀
目次
単元と活動
What do you want to study? 夢に近づく時間割を紹介しよう(NEW HORIZON Elementary 5 Unit 3)
単元の目標
お互いのことをよく知り合うために、学びたい教科や就きたい職業について具体的な情報を聞いたり紹介したりすることができる。また、アルファベットの活字体の大文字・小文字を書くことができる。
※なお、本単元における「書くこと」については目標に向けて指導は行うが、本単元内で記録に残す評価は行わない。
単元の評価規準
●知識・技能
〈知識〉
What do you want to study? I want to study ~. What do you want to be? I want to be a/an ~. 等の表現について理解している。
〈技能〉
学びたい教科や就きたい職業などの語句や基本的な表現を聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
相手のことをよく知るために、学びたい教科や就きたい職業について聞き取っている。
●主体的に学習に取り組む態度
相手のことをよく知るために、学びたい教科や就きたい職業について聞き取ろうとしている。
●知識・技能
〈知識〉
What do you want to study? I want to study ~. What do you want to be? I want to be a/an ~. 等の表現について理解している。
〈技能〉
学びたい教科や就きたい職業などの簡単な語句や基本的な表現を用いて話す技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことをよく知ってもらうために、学びたい教科や就きたい職業について話している。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことをよく知ってもらうために、学びたい教科や就きたい職業について話そうとしている。
教材
- 『NEW HORIZON Elementary 5』(児童用テキスト・デジタル教材)
- Picture Dictionary
- ワークシート・振り返りカード
授業のポイント
児童はこれまでに、友達の好きなものや誕生日などについて伝え合い、互いのことを知ることができています。本単元で、さらに将来の夢や学びたい教科について知ることで、お互いの夢を応援し1年間共に頑張ろうという雰囲気づくりにつながります。また、形の似ている大文字・小文字の違いに気付かせながら丁寧に指導していきましょう。
「1人1台端末」活用のポイント
第6時【Enjoy Communication】ではJamboardの付箋機能を使って、発表内容の構成について、付箋の色を変えて内容を付け加えたり、どのような順番で伝えるとよいか付箋を動かしたりしながら思考させます。事前に、付箋と同様に使えるように絵カード等を用意しておくとよいでしょう。教師はそのデータを提出させ、よい事例を全体共有したり、丁寧に見取り指導改善に生かしたりできます。児童は友達の考えを参考に比較することで新たな気付きを得て学習改善につなげることができます。時間と空間を越えてデータを共有するなど効果的に端末を活用し、言語活動の充実につなげていきましょう。
※Google Jamboardは2024年12月31日にサービス終了します。
単元計画
※なお、話すこと【発表】の評価については、単元の活動中に評価は行いますが、学期末にALTと各児童との1対1のパフォーマンステストを行い、条件を一定にして再度見取り、総合的に判断するようにします。
授業の流れ(全8時中 1〜4時)
第1時
1.挨拶
挨拶をします。
Let’s start.
Hello, everyone! How are you today?
2.教師の発表
教師の小学生時代の夢と時間割について発表します。発表後は、内容について児童に質問するなどやり取りをする中で、児童が単元ゴールをイメージできるようにします。今回のテーマは「就きたい職業と学びたい教科」であることや、学年新聞に就きたい職業と学びたい教科の記事を載せることを知らせます。
Hello! I am 11 years old.
(時間割を見せながら) This is my schedule. I have Japanese, math, English and P.E. I want to study English and P.E.
I want to be a tennis player. I want to be a world tennis champion. I like tennis very much. What do you want to be?
Thank you for listening.
What did you hear?
Tennis!
English!
Nice listening. I like tennis.
What do I want to be?
Tennis player.
Great. I want to be a tennis player. What do you want to be, (児童の名前)?
What sport do I like?
Tennis.
Yes! I like tennis, too. What sport do you like, (児童の名前)?
What subject do I want to study?
English.
Good. One more?
※ALTから児童に質問させてもよいでしょう。
3.【Let’s Sing】(p.27) What do you have on Mondays?
始めは字幕なしで聞かせ、イラストを手掛かりに内容について考えさせます。教師も一緒に歌い、和やかな雰囲気にしましょう。
4.【Let’s Try ①】(p.27)
絵カードで各教科等の言い方を確認し、What subject do you like? を用いてやり取りを行います。その後、Picture Dictionary(p.24)を用いて、ポインティングゲームを行います。(教室に掲示してある時間割を使ってゲームをしてもよいでしょう。)
Let’s play Pointing Game! Please ask me “What subject do you like?”
I say “I like English”, you point “English”. OK? Do you have any questions? Let’s start!
Today’s schedule…. I have Japanese, English, P.E., music….
※必要に応じて【Let’s Chant ①】(p.27)を扱います。
5.【Sounds and Letters】(p.90) 形の似ている大文字(CG EF OQ PR UV SZ MN BD VW) *「1人1台端末」の活用
始めはアルファベットの大文字の読み方を確認します。違いを比べながら、文字を丁寧に書かせます。書き終わった児童は、1人1台端末でPicture Dictionary(p.24)のQRコードを読み取り、各教科等の単語の練習をさせます。
Let’s read letters. What’s this? どこが違っていますか? 赤い点の所から書き始めましょう。
6. 振り返り、単元の目標を立てる
単元ゴールに向けて、付けたい力を確認し、児童1人1人にこの単元の目標を立てさせます。中学年での学習やUnit 1、2で付けた力を確認し、確実にステップアップしていることを共有しながら目標を立てさせるとよいでしょう。
第2時
1.挨拶
Let’s start.
Hello, everyone! How are you today?
2.Small Talk(夢と時間割について)
英語でまとまった短い話を聞かせます。児童にも問いかけながら、行うようにします。
Hello. I want to be a doctor.
Great! Why?
I want to help people. What do you want to be?
I want to be a math teacher.
Why?
I like math. (児童の名前), what subject do you like? (時間割を指しながら)
I like 体育.
Oh! You like P.E. (手を挙げながら) Who likes P.E.?
3.【Let’s Sing】(p.27) What do you have on Mondays?
歌い終わった後、教室に掲示してある時間割を使って、What do you have today? We have math, Japanese…等の言い方に慣れさせるために教師と児童、児童同士でやり取りをします。
4.【Starting Out】(p.26) 英語を聞いて、場面の順に□に番号を書こう。
デジタル教科書のp.26、27を提示し、イングリッシュキャンプで、様々な学校から来た児童を前にグリーン先生が挨拶をしている場面であることを知らせます。「何について話しているのかな?」等、推測させた後、音声を聞かせ、□に番号を書かせます。場面が終わるごとに答え合わせをしたり、まとめて最後に答え合わせをしたりするなど、児童の実態に合わせましょう。
Open your textbooks to page 26. Please look at the pictures. What story can you guess?
How many people can you see? Please listen carefully and write the number in the box.
Which picture is No.1?
最後に、再度C(No.2)を聞かせ、エミリーが就きたい職業などについて話していることを確認します。
What alphabet is No.1? What’s the date today? What day is it? How’s the weather?
What alphabet is No.2? What’s her name? What does Emily want to be?
What alphabet is No.3? When is Sakura’s Sports Day ? When is Taro’s Sports Day?
What alphabet is No.4? How many students and teachers does Lucas have?
What alphabet is NO.5? What does Lucas have on Monday?
5.【Sounds and Letters】(p.90) 形の似ている小文字(ao bd ft hk ad bh nr ij pq) *「1人1台端末」の活用
始めはアルファベットの小文字の読み方を確認します。違いを比べながら、小文字の高さに気を付けながら丁寧に書かせます。書き終わった児童は、1人1台端末でPicture Dictionary(p.24)のQRコードを読み取り、各教科等の単語の練習をさせます。
Let’s read letters aloud. What’s this? どこが違っていますか? 赤い点の所から書き始めましょう。
6.振り返り
この時間、何ができるようになったか、次の時間に頑張りたいこと等の振り返る視点を与えて振り返りカードを記入させます。
Reflection time.
第3時
1.挨拶
Let’s start.
Hello, everyone! How are you today?
2.【Do you know?】(p.32、33) 「世界の授業について考えよう」
世界の様々な授業について学習します。時間を決めて、1人1台端末を使って調べさせます。また、事前に調べ学習をしている児童に発表させ、日本の授業と比較させて気付きも発表させるとよいでしょう。
3.【Let’s Watch and Think】(p.27)
場面・状況を児童に説明し、p.27のイラストや写真で教科や職業について確認してから聞かせます。
They are in the fifth grade. They talk about subjects and jobs. Please listen carefully and draw lines.
答え合わせをするときには、
What’s her name?
Fiona.
That’s right. Where does she live? What country?
等のやり取りをしながら行います。
※必要に応じて【Let’s Chant ①】(p.27)を扱います。
4.【Let’s Try ②】(p.28) 学びたい教科について、友達とペアで尋ね合おう。
まず、ペアでやり取りをさせます。
中間指導
その後、英語での伝え方が分からなかった表現等を全員で共有し、既習表現を用いて分かりやすい表現で伝えるためにはどういう表現を使えばよいか考えさせます(児童の実態に合わせて、必要であればモデルを見せてもよいでしょう)。また、再度やり取りさせます。
Hello. What do you want to study?
I want to study science.
Why?
I like science. I like 実験. It’s interesting.
5.【Sounds and Letters】(p.90) 形の似ている大文字・小文字 (Ii Jj Kk Pp Tt Uu Yy Il) *「1人1台端末」の活用
始めは形の似ている大文字・小文字の読み方を確認します。違いを比べながら、文字を丁寧に書かせます。書き終わった児童は、1人1台端末でPicture Dictionary(p.15)のQRコードを読み取り、曜日等の単語の練習をさせます。
Let’s read letters. What’s this? どこが違っていますか? 赤い点の所から書き始めましょう。
6.振り返り
参考となった友達のアドバイスについてや、改善したいところ等の視点を与えて、振り返りカードを記入させます。
Reflection time.
第4時
1.挨拶
Let’s start.
Hello, everyone! How are you today?
2.6年生の発表を聞こう。
6年生の発表ビデオを視聴させた後は、内容について児童に質問をして、児童の理解度を図ります。児童の実態に応じて、もう1度、視聴させてもよいでしょう。
Hello. I’m ○○. This is my schedule. I have home economics, science, music, P.E., and social studies. I like science.
What did you hear?
Music!
Science.
Wonderful.
What does he want to be?
Robot…?
He wants to be a robot … what?
.…… .
Do you need one more time?
One more time, please!
(もう1度視聴させる)
Robot creator?
Good.
What subject does he like?
…science?
Yes! He likes science. What subject do you like, (児童の名前)?
3.【Let’s Listen ①】(p.28) どの曜日の時間割か、聞こえた順に( )に番号を書こう。
They are in the fifth grade. They talk about their schedule. Please listen carefully and write the numbers here.(デジタル教科書の括弧を指しながら)
各問題を聞かせた後、 What did you hear in the end? 等、児童に尋ねます。時間割だけでなく、好きな教科等についても言っていたことを共有しましょう。
4. 【ことば探検】(p.32)
教科書を閉じた状態で、音だけ聞かせ、何か気付くことはないか問いかけます。そして、教科書を見せて文字上の共通点・相違点に気付かせます。
What do you think? What’s the difference?
その後、デジタル教科書のp.32の職業から er の付く職業を探させます。児童と
What do you want to be?
I want to be a/an ○○.
などやり取りしながら、様々な職業の言い方に触れさせましょう。(youtuber, pianist, guitarist)
5.【Let’s Try ③】(p.28)なりたい職業について、友達とペアで尋ね合おう。
ペアでやり取りをさせます。英語での伝え方が分からなかった表現等を全員で共有し、既習表現を用いか分かりやすい表現で伝えるためにはどういう表現を使えばよいか考えさせます。また、よい反応や、相手に分かりやすく伝えるために自分の気持ち等を話している児童の会話を全員で共有します。その際、よかった点や、自分との違い等について考えさせます。
中間評価
その後、英語での伝え方が分からなかった表現等を全員で共有し、既習表現を用いて分かりやすい表現で伝えるためにはどういう表現を使えばよいか考えさせます(児童の実態に合わせて、必要であればモデルを見せてもよいでしょう)。また、再度やり取りさせます。
※必要に応じて【Let’s Chant ②】(p.27)を扱います。
Hello. I want to be a teacher. What do you want to be?
I want to be a soccer player.
Soccer? Why?
I like soccer.
Nice!
6.【Sounds and Letters】(p.90) 好きな文字を選んで書こう。*「1人1台端末」の活用
文字を丁寧に書かせます。書き終わった児童は、これまで書いてきた中から、好きな大文字・小文字を自由に書かせます(好きな教科や、就きたい職業の単語の中から選ばせてもよいでしょう)。書き終わった児童は、1人1台端末でPicture Dictionary(p.30)のQRコードを読み取り、各職業等の単語の練習をさせます。
7.振り返り
振り返りカードを記入させます。
Reflection time.
自分で立てた単元の目標を振り返らせ、自分がどこまでできているか確認させましょう。
第5時~第8時は、小5外国語 Unit3 「What do you want to study?」指導アイデア②をご覧ください。
イラスト/荻野琴美(オーデザインチャンネルズ)、横井智美