学級の集会活動で子供を育てよう
学級にはさまざまな個性を持った子供がいます。そんな子供たち一人一人の個性を大切にしつつ、まとまりのある学級をつくっていくために、学級の集会活動を見直してみましょう。
執筆/埼玉県公立小学校教諭・石原良介
目次
こんな子、いませんか?
学級の集会活動で子供を成長させ、誰もが活躍できる学級に!
集会活動は、子供を伸ばすチャンスの宝庫です。一人一人の特性を把握し、成長を期待し、適切に支援していきましょう。
子供の姿は教員の捉え方次第です。集会活動を通して得られる“仲が深まった”“みんなの役に立てた”“自分もやればできる”という思いを、ともに喜びたいものですね!
学級の集会を開くには
ステップ1 学級会で集会の内容や工夫を話し合う
単なる「お楽しみ会」ではなく、明確なねらいを持たせた学級の集会にしましょう。
ステップ2 役割分担し、準備する
全員で分担して準備します。得意なことを生かし、協力し合えるよう支援しましょう。
ステップ3 学級の集会を開く
「みんなで楽しい時間をつくる」ことが意識できるようにしましょう。
ステップ4 振り返りをする
提案理由を意識できたか等、集会のねらいに応じて考えられるようにしましょう。
子供が育つ集会活動の秘訣
1学期頑張ったね集会
これまでの思い出や頑張ってきたことを振り返ることをねらう。
夏祭り集会
季節の行事を楽しむだけでなく、男女の仲をより深めることをねらう。
オリジナルかるた集会
学級の友達のよいところをたくさん見つけ、思いやりを持つことをねらう。
ミニ運動会
運動の苦手な友達に配慮しつつ、一致団結する力を高めることをねらう。
1年生との交流会
下級生とのかかわりを増やし、高学年としての自覚を高めることをねらう。
クラス卒業式
学級のみんなに感謝の気持ちを伝えることをねらう。
「ねらい」を明確にした集会に
子供たちが感じている「みんなでやってみたい」「みんなで解決したい」という思いを教師が拾い上げ、集会活動のねらいに据えましょう。
準備は人間関係を深めるチャンス
役割を分担して準備することで、子供同士のかかわりあいが生まれます。責任感や協力を合言葉に、自治的に活動できるように支援しましょう。
役割分担のポイント
- 必ず全員で役割を分担する。
- ひとつの係を3~5人程度にする。
見通しを持たせるポイント
- 活動計画をカレンダーに書き込む。
- 帰りの会で準備状況を報告し合う。
トラブルを想定し、うまく乗り越えられる支援ができるように活動をよく観察することが大切です。
振り返りで成長を価値づける
これまでの活動を振り返ることで、課題や成果を実感し、成長につなげることができます。
振り返り① 自己評価
- 振り返りの視点を明確にする(提案理由等)。
- 課題点だけでなく、頑張ったことや身についた力に目を向けられるようにする。
振り返り② 相互評価
- 係のメンバー同士で振り返る。
- 認め合いカードを送り合う。
特定の児童に偏らないよう配慮しましょう。
振り返り③ 教師からの指導
- 一人一人の頑張りを認める。
- 学級全体の課題を端的に示す。
→トライ・アンド・エラーの積み重ね。
新型コロナ禍だからこそできる集会活動を
集会活動は、心と心の距離を縮める大切な活動です。子供たちとともに3密を避ける工夫を考え、一人一人の児童が活躍できる場をつくっていきましょう。
イラスト/北澤良枝
『教育技術 小五小六』2021年6/7月号より