朝の会・帰りの会の役割・意義を考えよう
ほとんどの学校・学級では、学校に登校したら朝の会、下校の前には帰りの会が行われていることでしょう。ほぼ毎日行われる朝の会や帰りの会の意義を教師が意識しておくことで、この短い時間の中で子供たちの力をぐんと伸ばすことができます。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・木村綾子
目次
朝の会
朝の会の役割について考えてみます。
- 一日の流れ(予定)を見通す。
- その日にやること、がんばりたいことなど、自分の一日のめあてが明確になる。
- 「よし、今日もがんばるぞ」と、一日のスタートのスイッチが入る。
- みんなと会うことで「学校に来てよかったな」と思える。
次に、そのための方法を考えてみましょう。
- 一日の予定をホワイトボードなどに書いて視覚化する。
- その日のめあて(学級全体や個人)を考える時間を確保する。
(形態は個人、ペア、グループなどさまざま)
※学級目標に関連してめあてを立てることもあります。 - 学級みんなで笑顔になれることをプログラムに入れる。
例:簡単なゲームをする
※ジャンケンを入れたゲームは、準備物がなく、短時間でできるのでおすすめです。
※スピーチなども考えられます。
帰りの会
同様に、帰りの会の役割について考えてみます。
- 一日のふり返りをする。
- 「○○をがんばれた」「★★が楽しかった」という気持ちになる。
→メタ認知することで自尊感情を育む。 - 次の日のことを見通し、「明日も楽しみ!」と思える。
次に、そのための方法を考えてみましょう。
- ふり返りの時間を確保する。
(形態は個人・ペア・グループなどさまざま)
→ふり返りの内容は、朝の会で立てためあてに沿って行うとより効果的。
朝の会も帰りの会も、時間にすれば10分間程度だと思います。ただ、毎日くり返されることなので、ここでの指導の積み重ねが、子供たちの力にになっていきます。学級活動が始まったら、係からのお知らせなども行うとよいでしょう。
みんなの前で話すときの声の大きさや伝え方はもちろん、話の聞き方も意識して声をかけることで、子供たちの話し方や聞き方の力が身に付きます。
みんなが同じように経験できるよう、朝の会や帰りの会の進行は、日直などが輪番でできるようにしましょう。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2021年4/5月号より