校外でも使ってる?ICT端末の活用【わかる!教育ニュース#1】

連載
中澤記者の「わかる!教育ニュース」
タイトル わかる! 教育ニュースNo.1

先生だったら知っておきたい、さまざまな教育ニュースについて解説します。連載第1回目のテーマは「ICT端末の活用」です。

授業では進んでいる反面、
自宅などでの学習には十分生かされていない「端末活用」

タブレットなどのICT端末を使う授業は、今や珍しくなくなりました。新型コロナウイルス禍を機に、子ども1人に端末1台を行き渡らせるGIGAスクール構想が、推し進められた面もあるでしょう。けれど、学校の外でも使われているのでしょうか。

その疑問に、国立教育政策研究所の調査結果が答えてくれました。昨年11~12月、全国の一部の小中学校で端末をどう活用しているか調べたところ、授業などでは利用が進んでいる反面、自宅などでの学習には十分生かされていない実態が窺えたのです。

小学校の状況を見てみましょう。最も多い使い方は、インターネットでの情報収集や調べもので92%の学校が取り組んでいます。次いで、キーボード入力といった基本的操作が91%、デジタル教科書や映像を使う授業89%、発表や話合い、協働制作などが84%でした。これだけなら、積極的に使っている印象をもちます。

ただ、「どこでも学べる」というICTの利点が生かされているとは、言えないようです。例えば、臨時休校や分散登校への対応としての遠隔授業(双方向型)は32%。不登校や「院内学級」向けの遠隔授業は、わずか9%にとどまります。

自宅での学習でデジタル教材やソフトウェアをどれだけ使っているかを尋ねても、遠隔授業用ツールは15%、動画教材は19%で、学習支援クラウドは35%。どれも授業では活用されているのに、家庭ではあまり使われていないのです。

「学びの継続の観点からも端末を持ち帰り、活用することは有効」

非常時における端末の持ち帰りを巡っては、次のような興味深い調査結果があります。文部科学省が教育委員会に行った今年1月末時点の調査で、公立小学校の95.2%が、持ち帰り学習の環境を整え終えた、と答えているのです。ただ、100%整っているのは14府県に上る一方、最も低い岩手県は77.4%と、地域差がありました。

「準備中」と答えた学校に理由を尋ねると、「教育委員会のサポートが十分でない」「一部の保護者の同意や理解がない」などが挙がりました。家庭の通信環境も大きな要素ですが、対策に「ルーターなどの貸出し」を挙げた学校は72.6%。家の事情で端末を使いにくい子が約3割存在するのです。

文科省は2022年3月3日付で、各教委などに端末の活用を一層促す通知を出しました。自宅での学習でも、コロナ禍による臨時休校などに触れながら「学びの継続の観点からも端末を持ち帰り、自宅などでの学習においてICTを活用することは有効」と明記。適切に使う指導やルール設定などの必要性も説きました。

コロナ禍にかかわらず、大きな自然災害が多発する昨今、長期の臨時休校もありえます。病気や不登校の子の学び、離島の教育充実の面でも、ICTの存在感は増しています。オンラインを介した学びにはさまざまな意見がありますが、どんな状況でも学べる手段の一つとして、とらえてはどうでしょうか。

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執筆/東京新聞記者・中澤佳子

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