本に親しもう~学校図書館をもっと活用しよう〜
子供と本をつなぐことを通して、子供が本を選んで読む経験や、読書に親しむきっかけ、また、子供の主体的で意欲的な学習活動につなげていきましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・伊澤直美
目次
本に親しむ環境づくり
本の冊数をふやそう
学校によって、学級文庫の場所や大きさは違います。子供たちにとって、冊数や種類が豊富になるように、本を整理し、ふやしていきましょう。
リサイクル本を活用する
学校図書館から
図書館の整理に伴い、各学級に「学級文庫用」として、廃棄にならない本が配られることがあります。司書の先生にお願いし、譲ってもらえるよう、交渉してみましょう。
家庭から
学級通信などで呼びかけをして、家庭にある読まなくなった本や、学級文庫に提供してもよい本があれば、学校に持ってきてほしいということをお願いしましょう。
担任がそろえる
本屋さんの児童書コーナーに行き、実際に子供たちに読んでほしい本を選びます。少しずつふやしていくようにするとよいでしょう。古本屋さんの活用もお勧めです。
- 日本や世界の名作
- ことわざ
- 辞典、事典
- 迷路遊び・パズル等
読みたくなる工夫をしよう
教室の学級文庫を明るく楽しい雰囲気にしてみましょう。子供たちが本を手に取りやすくなります。
学級文庫に色や看板をつける
柔らかく明るい色で塗ったり、周りに飾りをつけたりして、学級文庫をアピールしましょう。
学級文庫にお勧めの本を並べる
ミニイーゼルなどを使って、本の表紙が見えるように置きます。
「季節の本」「今月のおすすめ」など、タイトルがあるとわかりやすくなります。子供が係活動に自主的に取り組むときの参考にすることもできます。
本を手元に置く習慣をつけよう
いつでも本を読むことができるように、机の中や道具箱の中に、読みか
けの本を入れておくように声をかけましょう。
学校図書館の利用指導
学校図書館を正しく利用することができるようになると、高学年としてあるべき姿を示すことや、地域にある公立図書館の利用にもつながります。
図書館での約束
図書館利用時の約束を必ず確かめて利用するようにしましょう。特に、手洗いをすることについては、忘れずに声をかけましょう。
図書館でのやくそく
- 本を読む前に、必ず手を洗いましょう。
- 本は、大切に扱いましょう。
- 返す日にちを守りましょう。
- 図書館では、しずかにすごしましょう。
日本十進分類法の仕組み〜本を自分で探そう
図書館の本が並んでいる棚の仕組みを説明しておきましょう。子供が自分で本を見つけることができます。
図書館の本は、0から9までの数字で、10に分かれています。絵本は絵本コーナーに置いています。棚にある本のラベルの数字をよく見ることで、早く本を探すことができますよ。
読書に親しむ活動例
子供たちが取り組みやすい活動を学級全体や係活動などに取り入れることで、学校生活が豊かになります。家庭との連携した取組もできます。
- 読書記録カード
- 読書マラソン
- しおりづくり
- しおりコンテスト
- 読書発表会
- 読書新聞
- 読書の木
- 家庭での読書等
読書に親しむ活動の様子を、学級通信などで家庭にお知らせすることで、家庭での取組を促しやすくなります。
学習に生かす学校図書館の活用
一連の学習の中で、効果的に学校図書館を活用していきましょう。
単元の導入段階
課題をつかんだり、計画を立てたりするとき
- 写真、新聞、映像資料を見せる。
- 読み聞かせ、ブックトーク
単元の導入段階
調べ学習をするとき
- 本のリストを紹介する。
- 資料の提示をする。
まとめたり、発表したりするとき
- まとめ方や発表の仕方の本を紹介する。
- 参考になる学習のまとめを提示する。
単元の展開段階
まとめたり、発表したりするとき
- まとめ方や発表の仕方の本を紹介する。
- 参考になる学習のまとめを提示する。
学級活動(3)の「一人一人のキャリア形成と自己実現」の中では、学
校図書館の活用が挙げられています。子供たちが学ぶことに興味や関心を持ち、自主的に学習に取り組めるように指導していきたいものです。
司書教諭や学校司書との連携
日ごろから、子供たちの読書の様子や学習に関する図書などについて話をしておくと、協力して取り組みやすくなります。
イラスト/北澤良枝
『教育技術 小五小六』2021年2月号より