「探究学習」を有意義なものにするためのポイント|沼田晶弘の「教えて、ぬまっち!」

子供たちの自主性を引き出す斬新でユニークな実践が話題の「ぬまっち」こと、沼田晶弘先生 。今回は、ぬまっち先生がいま注目の「探究学習」についてどう捉えているのか、また「探究学習」を有意義な時間にするためのポイントを聞きました。

目次
なぜ今「探究学習」が注目されているのか
学習指導要領の改訂によって注目を浴びるようになった「探究学習」。
探究学習とは、一方的に与えられる教科学習や知識詰込み型教育と違って、あくまでも子供たちが主体的に学びを深めていくプロセスを重要視した学習法だ。
従来の教科知識の範囲を超えて自分で問いや課題を見つけ、その課題解決に向けて情報を収集・整理しながら、他者と議論・協力して最適な答えを見つけていく学びを通して、新たな問題に立ち向かう力や協働的に課題解決する力を育むねらいがある。
研究開発校であるボクの学校も以前から「探究学習」は取り入れていたけれど、2年前からより強化していくことになった。
「知識詰め込み型教育」はもう不要なのか
では、もう「知識詰め込み型教育」は必要ないのかと言えば、ボクはそう思わない。
世界と比べても日本の学力水準は高いと言えるだろう。それは、知識詰め込み型教育の成功によるところも大きいはずだ。
問題は、暗記ばかりでは自分で考える力が身につかないこと。
しかし、物事を深く考えたり、表現するためのベースとなる基礎知識はやはり必要だと思う。基礎知識もなく、探究だけをやっていても、中身のないカサカサの探究学習になるだけ。「ない袖」は振れないからね。
だから深掘りして考えるために必要な基礎知識を身に付けるいわゆる「詰め込み型教育」と並行して「探究学習」を行い、その知識を活用しながら自ら考え、表現し、ふり返りをする……そのくり返しが理想的な学びの姿だと思っている。