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「小学校教科担任制」推進へ! 小学教育はどう変わるか

今年4月、文部科学省は小学校高学年で教科担任制を推進する方針を示しました。小学校高学年で教科担任制をすでに実施している小学校もあります。令和の時代に求められる教科担任制について考えてみたいと思います。

撮影/金川秀人

小学校高学年の総授業時数は1015時間へ

まずは平成29年告示の小学校学習指導要領における授業時数を確認しておきたいと思います。下の表を見てください。ここに示されているのは、2020年度からの小学校の各教科の授業時数です。

小学校各教科等の授業時数

(出典:文部科学省通知 28 文科初第1828 号 平成29年3 月31日)
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注目していただきたいのは総授業時数です。小学3年生以上で現在よりも増えることになっています。現行の総授業時数と比較すると、3年生は945時間から980時間(+35時間)へ、4~6年生は980時間から1015時間(+35時間)へ増えるのです。

ちなみに、中学1~3年の授業時数は今回の学習指導要領の改訂では変化はなく、1015時間です。つまり、小学4年から中学3年まで、総授業時数は同じになります(授業時数の1単位時間が小学校は45分、中学校は50分であり、条件は異なるが……)。

しかも、小学校は外国語科、道徳の教科化、プログラミング教育と、新たに加わる授業も多いのです。高学年は内容が高度になっています。

現在、すでに教員の多忙化、長時間労働の問題は深刻です。学級担任制の下で学級担任が、毎日毎時間、質の高い授業をしていくのには無理があるのではないでしょうか。だからこそ、新学習指導要領が全面実施となる前に、高学年で教科担任制を推進する必要があります。

国が教科担任制推進へ動きだす

今年4月、柴山昌彦文部科学相は中央教育審議会(以下、中教審)に小学校高学年での教科担任制の拡大などを含めた「新しい時代の初等中等教育の在り方」を諮問しました。

小学校で教科担任制を推進するための議論は、小学校の教員免許制度の見直しと、それに伴う教育系大学の再編にまで発展していくと思われます。また、小学校で教科担任制を行うには、現状では教職員の数が足りないことは明らかであり、教職員定数の確保への議論も進んでいくと予想されます。

中教審では今後、約1年半にわたって審議を行い、答申をまとめるのは来年末になる見込みだということです。

新しい教科担任制とは?

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