注目の漢字学習法「つぶやき漢字」速く確実に覚えられる

つぶやきながら書いて覚える学習方式を提唱する漢字ドリル『つぶやき漢字ドリル』が発売されました。一般的な漢字学習と比べてどこが違い、どんなメリットがあるのか、著者のインタビューをもとにご紹介します。

目次
ひたすら書いて覚える漢字学習は、子どもにとって辛いもの
漢字の学習では、「家で、1つの漢字につき10回ずつ書いてくること」などという宿題を出していませんか?
書いて覚えるのは、学習内容を定着させることに対して一定の効果があります。しかし、子どもたちは、家で何十字も漢字を書かされる宿題を出されて、楽しく漢字学習ができているでしょうか。
これでは、漢字学習が辛いもの、つまらないものという感情がすり込まれて、漢字嫌いの子どもを増やすことになりかねません。
元素記号の周期表を覚えるのに、ひたすら書いて記憶したという人は、まずいないでしょう。みんな、「水兵リーベ、僕の船・・・」と唱えて覚えたはずです。この唱え方があることで、だれでもラクに20番までの元素記号を覚えられたのです。しかも、一度覚えてしまえば、ほぼ一生忘れません。
漢字の学習にも、これは通用します。
「つぶやき漢字学習」3つのメリット
「つぶやき漢字学習法」を、これまで多くの小学校で実践してきた久保齋先生(学力研理事・つぶやき漢字研究会主宰)が、具体的な唱え方(つぶやき方)とそのメリットを教えてくれました。
「花」という漢字なら「一書いて、ソ書いて、イ書いて、ノ書いて、たて曲げはねる」とつぶやきながら指で書いて覚えます。ノートに鉛筆で書いても、手本の文字を指でなぞっても構いません。これが、一度覚えれば一生忘れない学習法なんです。
このつぶやいて書く漢字学習には、学校教育にとっても良い点があります。
まず、学校の授業で児童全員で声を合わせて唱えたり、ペアで交互につぶやいたりして、みんなで楽しく漢字学習するという教室文化が生まれます。教師の視点としても、どの子がつぶやけていないかなども見取りやすいです。
2つ目のメリットとして、クラス全員が正しい書き順で書けるようになります。正しい書き順で書くことは、整った字形を書くことにもつながり、きれいな漢字を書けるようになります。
3つ目は、子どもたちの覚えるスピードが上がり、結果として漢字テストの点数も上がっていきます。
『小二教育技術』2018年10月号「先生のための学校」より
