「学校雇用シェアリンク」とは?【知っておきたい教育用語】
学校現場は人材不足に悩んでいます。一方、コロナ禍などで仕事が減少した企業は従業員の雇用を守る必要があります。文部科学省は、そのような状況の解消に役立つことを目指して、「学校雇用シェアリンク」(対象校種に限定はありません)を開設しました。
執筆/常磐短期大学助教・石﨑ちひろ

目次
学校雇用シェアリンクとは
文部科学省は、新型コロナウイルス感染症の影響などにより従業員の雇用維持に苦慮している企業と教育委員会や学校をつなぐため、2021年1月8日、ホームページ上に「学校雇用シェアリンク」を開設しました。
同時に、「学校における企業人材受入れ支援のための『学校雇用シェアリンク』の開設について(周知)」を通知しています。
また、リーフレットを作成し、仕事内容の例として、英語授業のアシスタント、授業の補助や補習の指導をする学習指導員、学校での電話や来客対応、高校生の進路相談や面接の練習などを担うキャリアアドバイザー、感染症対策を行う補助員、部活動の指導員を挙げています。
開設してから、経団連などの経済団体を通じて雇用のシェアを望む企業に登録を呼びかけるとともに、学校や各地の教育委員会に求人情報の登録を呼びかけました。
なお、文部科学大臣の下に設置した「『令和の日本型学校教育』を担う教師の人材確保・質向上に関する検討本部」において、当面の対応として「『令和の日本型学校教育』を担う教師の人材確保・質向上プラン」を取りまとめています。
そのプランの中で、民間企業に所属しながら、学校現場での勤務を経験することを勧め、「企業と学校等を繋げ、企業ではたらく社会人等が企業に所属しながら、学校に参画する機会を創出する『学校雇用シェアリンク』を創設・運営する」としています。
どのように登録するか
文部科学省のウェブサイトに、「学校雇用シェアリンク」の登録手順が示されています。「教育委員会・学校関係者向け」と「企業関係者向け」があります。
登録フォームは、教育委員会・学校関係者向けの場合、任用・採用する組織名、勤務予定地、募集する職業内容、報酬の目安などを記入するようになっています。
登録された求人情報をもとに、学校側と企業側の人事担当者が協議して、お互いの条件が合えば雇用が成立します。文部科学省がマッチングするわけではありません。
文部科学省は、企業と学校がつながる仕事として次のような例を挙げています。企業関係者がこのような仕事をする場合、基本的に教員免許は必要ありません。
- キャリアアドバイザー
- 授業補助や補修の指導(学習指導員)
- ビジネス関連授業の講師
- 外国語学習・外国人児童生徒の支援
- 教員の業務支援(スクール・サポート・スタッフ)
- 学校のICT活用のサポート(ICT支援員、GIGAスクールサポーター)