担任の冬休み~年度末に向けての見通しをもつ~
冬休みに入ったら、これまでのことを整理し、三学期のスタートに備えましょう。子供の成長を確認したり、学級経営案の見直し・修正を行ったり、教師自身の成長のために休業中にできることに取り組んだりしましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・源 憲一
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目次
学級経営案の見直し
学級全体として3月の姿をイメージして、学級や子供たち一人ひとりの成長と課題の把握をしましょう。課題に対しては、いくつかの手立てを考えておくと、冬休み明けから計画的に実践することができます。
三学期に入ると、あっという間に学年末の準備をするようになります。慌てないためにも、時間があるときに3月までの見通しがもてるように、学級経営案の見直しを行いましょう。
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子供の作品に目を通す
年度末に返却するものに目を通しておきます。作品の内容はもちろんですが、これまでのものを見返すことで改めて子供たち一人ひとりの成長を感じることができるでしょう。そのことをこれからの児童理解や指導に生かしましょう。
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冬休み明けのネタ集め
三学期が始まったら、子供たちと一緒に楽しむことができるものをいくつか考えておきましょう。
例えば、お正月遊びを用意してみるのもよいでしょう。できれば、学級オリジナルのものにするとさらに盛り上がって、楽しい活動になります。「かるた」などは、自分たちの学級のエピソードを入れて作れば、世界に一つしかない自分たちだけのものになって、愛着がもてるでしょう。
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内容だけでなく、やり方にも工夫ができます。個人で対戦するのもよいですが、グループ対抗にしたり学級のみんなで力を合わせたりして、グループや学級の仲を深めることをねらいにして行うこともできます。
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遊びのネタ以外にも、三学期に取り組みたい活動を明確にしておき、その準備に取りかかっておくとよいでしょう。
年賀状であいさつ
教師から子供たちへの新年のあいさつに、年賀状を作ってみませんか。
年賀状は郵送になるので、冬休み明けの日に教室で渡したり、登校したら子供の机上に置いてあるようにしたりなどの工夫をすることもできます。
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アイデアいろいろ
- 自分たちの学級らしいもの(例えば、学級目標に関係したもの、教室にあるものなど)を写真で載せる。
- 担任の冬休みに関することをクイズ形式で載せる。後日、答え合わせをすることも伝えておく。
- 1枚のはがきがパズルのピースの役割をしていて、はがきを持ち寄って組み合わせると、学級のマスコットの絵が仕上がる。
〈他のパズル例〉
☆冬休みに関するイラスト
*雪だるま、鏡餅、獅子舞
☆担任の似顔絵
☆学校のイラスト
☆三学期の行事に関するもの - 「お年玉年賀はがき」のように学級オリジナルの番号を自分で書き込めるようにしておいて、休み明けに抽選会を行う。
- 手作りの「いも版」で作る。イラストは季節に合ったものにするとよい。
子供たちが、「早く学校に行きたいな」と思えるようなしかけがあると素敵です。
教師自身もさまざまな経験を
冬休みは、日本の伝統行事を経験できる時期でもあります。思いきって年末年始をじっくりと味わってみましょう。
ふだん忙しくてなかなかできないことに敢えて挑戦してみるのもよいでしょう。教師も充実した時間を過ごし、パワーを充電しましょう。
そして、ときには仕事のことを忘れて、心身ともに休養することも必要です。大人が笑顔でいると、子供たちは安心します。
冬休み明け、とびきりの笑顔で子供たちと再会できるようにしましょう。
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イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年12月号より