病気予防の指導に必要なこと
寒くなって空気が乾燥し、風邪やインフルエンザが流行し出す時期です。それに加え、新型コロナウイルスの流行もあり、病気の予防を子供自身が実践していくことが必要になっています。学級活動(2)を活用して、風邪などの病気を予防するためのめあてを自分で決めて、実践していく取り組みを行い、よりよい生活習慣を身に付けていきたいものです。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・山本恭兵
目次
病気の流行を知り課題を「つかむ」
まずはこの時期に風邪や感染症が流行し、予防が必要であるという課題をつかみます。その際に必要となるのが、客観的な事実です。今年は、いつも手洗いやマスクをしていることでよいことは何かを考えたり、子供が風邪をひいた時期を家庭にアンケートで聞いたり、前年度の季節ごとの欠席児童数を養護教諭から聞いたりして、「病気にかからないよう、予防が必要だ」という課題をもつことができるようにします。
流行の原因を「さぐる」
次に病気の流行の原因を調べます。低学年では少し難しいところもあるので、家庭などで聞いたことを出し合うようにするとよいでしょう。
また、養護教諭と連携をして教室で説明をしてもらうと、説得力があって子供も納得することでしょう。
病気の予防のための解決策を「見付ける」
病気の原因が分かったところで、具体的にどんなことをすれば予防ができるのかを話し合います。このとき、今までの経験でどんなことをしてきたのかを聞くことで、いろいろな意見が出やすくなります。養護教諭にアドバイスをもらいながら話し合うのもよいでしょう。
出てきた解決策は、次の個人のめあてを決める際に参考になるので、板書しておくようにします。
自分のめあてを「決める」
話合いで出てきた解決策のなかで、自分で取り組んでいくめあてを子供たち一人ひとりが決めます。特に、今年は手洗いなどが習慣化されていることが多いので、それにプラスアルファで何ができそうかを考えて、選べるようにするとよいでしょう。
めあてを「実践する」
めあてをカードに書き、1週間程度実践します。みんなのめあてを教室内に掲示したり、休み時間の終わりに「めあてはできているかな?」と呼びかけたりして、子供がめあてを意識できるように支援しましょう。
めあてが達成できたらカードに色を塗ったりシールを貼ったりするなどして、できた喜びを感じることができるようにします。
めあてカード例
活動をふり返る
1週間ほど実践したら、活動をふり返る時間を取ります。そのなかでは、できたことを称賛し、子供が自信をもつことができるようにします。そうすることで、病気を予防するよりよい生活習慣が身に付いていきます。
活動をより深めるポイント
家庭の協力をお願いする
病気の予防の取り組みは、学校だけでなく家庭での実践も大切です。学級だよりなどで家庭に呼びかけ、めあてで決めたことを家庭でも取り組むことができるように協力をお願いしましょう。
学校の取組と連携する
学校によっては保健委員会などで病気の予防に取り組むところもあるでしょう。委員会の活動と連携して取り組むことで、上級生の取り組み方から学ぶ機会を得ることができます。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年12月号より