総合的な学習の時間でカリキュラム・マネジメントを行うポイント
カリキュラム・マネジメントの中心である「総合的な学習の時間」 の授業づくりのポイントについて解説します。
執筆/福岡県公立小学校教諭・山﨑邦彦
目次
カリキュラム・マネジメントの中心は「総合的な学習の時間」
総合的な学習の時間において、学習指導要領に定められた目標を踏まえて各学校が教科横断的に目標を定めることは、各学校におけるカリキュラム・マネジメントの鍵となる。各学校が定める目標についても、資質・能力の三つの柱の考え方を踏まえたものとなることが求められる。
「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導の改善及び必要な方策等について」(平成28年12月21日 中央教育審議会答申)
このように、各学校のカリキュラム・マネジメントの中心は、「総合的な学習の時間」です。「カリキュラム・マネジメント」と耳にすると、管理職や教務担当が行うもの……」などと思うかもしれません。本来は学校長の方針のもと、校務分掌に基づき、全教職員が役割を分担し、相互に連携することが理想です。各学校の特色を生かした教科等横断的な視点で授業づくりを行いましょう。
1 目標および内容について
総合的な学習の時間の目標や内容は、「各学校で適切に設定」します。学校の教育目標具現化に向け、「育成すべき資質・能力」や「資質・能力の育成にふさわしい探究課題」を明確にします。その際、近接学年等で組織的に指導にあたることが最も重要です。
2 基本的な学習過程
「活動あって学びなし」とならないように、子供たちが目的を持ち、知的好奇心を存分に発揮する学習活動を組み立てたいものです。
次の図は、総合的な学習の時間における基本的な学習過程です。一連のサイクルを学習のまとまりとし、子供たちの学びが連続し、発展するよう活動を構成しましょう。
3 指導のポイント
①協働的な学習活動について
友達と協力したり、話合いをもとに問題を解決したりする活動は、グループとして結果を出すことが目的ではありません。一人ひとりがどのような資質・能力を身につけるかを明確にしておくことが最も重要です。
②思考ツール等の活用について
思考ツールは、子供たちの学習の援助になる一方、子供が作業に終始してしまったり、自由な発想の妨げになったりする場合も考えられます。
活用の際は、目的を明確にし、活用場面を想定するなど効果的に位置づけましょう。
イラスト/種田瑞子
『教育技術 小五小六』2020年11月号より