小3理科「明かりをつけよう」指導アイデア
執筆/埼玉大学教育学部附属小学校教諭・関根達也
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、埼玉県公立小学校校長・引間和彦
目次
単元のねらい
乾電池と豆電球などのつなぎ方と乾電池につないだ物の様子に着目して、電気を通すときと通さないときのつなぎ方を比較しながら、電気の回路について調べる活動を通して、それらについての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に差異点や共通点を基に、問題を見いだす力や主体的に問題解決しようとする態度を育成する。
単元の流れ(二次 総時数8時間)
一次 明かりをつけよう(5時間)
①② 豆電球の明かりをつけよう。
③ ソケットを使わずに豆電球の明かりをつけよう。
④⑤ ものづくり
二次 電気を通す? 通さない?(3時間)
⑥⑦ 電気を通す物と通さない物を探そう。
⑧ 「明かりをつけよう」のまとめ。
単元デザインのポイント
【第一次】電気が流れるイメージをもてるように
明かりがつかなければ、電池や電球を交換すればよいと思う子供もいるでしょう。第一次では、単に明かりがつく、つかないだけでなく、導線を1つの輪のようにつなげれば明かりがつくという電気の流れをイメージできるようにしていきます。
豆電球の明かりがつかないよ。もう電池がなくなったのかな。
導線が1つの輪になっていないよ! しっかりつなげないとね。
手立て① つなぎ方に問題意識を高める
豆電球と乾電池だけでは、明かりがつかない事象を提示します。その後、ソケット付き導線を提示して、どのようにつなげれば明かりがつくのか、問いかけます。
手立て② 理解を深め、学習したことを活用する
まず、導線1本で明かりをつけることができるかどうか試す場を設定します。1つの輪のようにつなげば、電気が流れることを再確認します。
また、学習したことを活用する場をつくるようにします。ここでは、導線をつないだときだけ光る豆電球ロボットを作ります。箱の中でどのようにつなげば点灯するのか考えて、ロボットの設計図をかいてから実際に作り、試してみましょう。この活動が、目的をもったものづくりをする際の素地を育てることにつながります。
【第二次】表で整理して共通点・差異点を見いだす
子供が各自で確かめたい物を自由に調べられるようにしましょう。結果をまとめる際には、調べた物を表で整理することで、共通点と差異点を見付けやすくなります。
鉄や銅の部分は電気が通るね! プラスチックや紙の部分は、どれも電気が通っていないね。
単元の導入
① 明かりがつかない事象提示から明かりをつける方法に注目できるようにしよう。
② 明かりをつける方法を絵や図でカードに表してみよう。
乾電池と豆電球を使って、明かりをつけてみよう!
ソケット付き導線を使うと明かりがつくらしいけど、どのようにつなげたらよいかな?
これじゃあ明かりがつかないよ。
明かりがつかない事象を提示することで、つなぎ方に問題意識が高まるようにします。そして、ヒントとして、ソケット付き導線を提示します。
それぞれ、グループごとに分けることで、何に着目して調べるのかが捉えられるようになります。
どのつなぎ方だと明かりがつくのかな?
活動アイデア
回路の途中にいろいろな物をつなげて、どんな物が電気を通すのか、通さないのかを確かめます。その際、実験の結果を表などに分類、整理することで、物の材質の共通点や差異点に気付きやすくなります。自然事象の原理・原則を調べるときは、複数の物を調べて、結果を比較し特徴を見いだせるようにしましょう。
授業の展開例(二次 第1・2時)
イラスト/たなかあさこ、横井智美
『教育技術 小三小四』2021年1月号より