自治的活動の力を育成する「委員会活動」の工夫
委員会活動とは、全校の仕事を分担処理する活動で、異年齢の子供の人間関係を形成したり社会参画の態度を育てたりするという教育的な意義があります。委員会活動をより活性化させるための工夫を見ていきましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・木村大輔
目次
活動計画を見直そう
どの委員会も最初の委員会活動の時間に、1年間の活動計画を立てます。活動開始から、活動記録や反省をもとにして定期的に活動を見直すようにしましょう。
委員会ノートを活用しよう
委員会ノートには、活動計画や活動記録、常時の活動やイベント時の役割分担などが書いてあります。
個人の委員会ノートも活用しよう
個人の委員会ノートには、常時の活動やイベントの記録、個人の具体的な役割、活動の反省や振り返りが記録されています。見直すことでより充実した委員会活動につなげましょう。
委員長会をしよう
子供が自分たちの力で活動を進めていくために、定期的に委員長会で情報交換を行います。実施日の例として各月の代表委員会や委員会活動の前が挙げられます。
情報交換をする中で、各委員会活動の予定を把握し合い、委員会の枠を超えてお互いに協力して行うイベントも企画することができます。
委員長会には、基本的に委員会担当教師が出席して指導にあたります。大きなイベントの前には、各委員会担当教師も委員長とともに出席しましょう。担当教師が出席することで、イベントについて詳しい説明をしたり、担当教師同士で役割を確認し合ったり、課題を共有して連携を図ったりすることでより円滑に活動を進めていくことができます。
掲示板を活用しよう
委員会のポスターで情報を積極的に発信していきましょう。
イベントのお知らせコーナーには、色画用紙を使ったり写真を貼ったりして、みんなの興味を引きつけられる工夫をしましょう。委員会ごとに委員会の特色を生かしたデザインがあると、掲示板でもより楽しい雰囲気がつくれますね。
委員会新聞を発行してみよう
委員会新聞を製作し、各学級に配付してみましょう。新聞には、常時の活動の紹介やイベントのお知らせ、委員会メンバーの活動に取り組む感想などを載せます。全校児童に委員会活動での努力や苦労といった舞台裏を知ってもらうことで、子供たちの意識や行動が変わることも期待されます。新聞を楽しくするために活動の様子を4こま漫画などで表現してもいいですね。
イベントで学校生活を盛り上げよう
委員会のイベントは、それぞれの委員が創意工夫できる活動です。各委員会の特色を生かした楽しくてアイデア溢れる活動に取り組んでみましょう。
イベントに参加した子供が楽しむだけではなく、携わる子供の、
①企画力(イベント実施までに物事を具体的に提案していく力)
②指導力(リーダーシップを発揮しイベントを実行する力)
③調整力(次回の活動に反省をつなげる力)
を高めることができます。子供にイベントの活動をすべて任せるのではなく、教師がしっかりと事前事後まで含めたサポートをし、子供の成長を支えましょう。
イラスト/高橋正輝
『教育技術 小五小六』2020年11月号より