トラブル発生時の保護者への連絡はこうする
11月頃は子供たちが学校に慣れてきて、のびのびと過ごす半面、子供同士のトラブルが増えてくる時期でもあります。トラブルが起こったとき、どのように対応するか、どのように保護者に伝えるかを考え、保護者とともに子供をよりよく育てられるようにしましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・藤井 翼
目次
子供同士のトラブルに関しての保護者への連絡
休み時間や登下校時など、教師の目が届きづらい場所でトラブルが起きることも多くあります。子供たちの話をよく聞いて対応し、保護者に伝えられるようにしましょう。
正確な状況把握
まずは発生時の状況を聞きましょう。当事者や事情を知っている子供から聞き取りを行い、情報をすり合わせながら、正確な状況を教師自身が把握します。最初から決め付けたり、いきなり指導をしようとしたりせず、当事者の話を受け止めて聞くことが大切です。
もし、保護者からの連絡でトラブルが発覚した場合は、保護者の訴えと食い違うことはないか、注意して聞き取りを行いましょう。
保護者への伝え方
こちらから伝えること 例
- トラブルの経緯、概要
- それについての指導内容
- 保護者にお願いしたいこと など
必ずこちらから伝えたいことを整理してから連絡するようにしましょう。
その際、意識することが『伝え方』です。正確な事実を伝えることは大切ですが、それだけでは、保護者の不安は消えません。その保護者が何に対して不安、不満をもっているか、どんなことで困っているのかなど、保護者の思いに寄り添って必要なことを伝えましょう。
一人で考えるのではなく、学年の職員や児童指導担当教員なども交え、「何を、どのように伝えるか」について相談できると、保護者の思いに寄り添った連絡ができます。連絡の際はこちらが話すだけでなく、保護者の話を傾聴する姿勢も大切です。
その後の様子についてこちらから連絡
トラブルが解決したあとも、子供たちを見守り、その後の様子として、こちらから連絡できるようにしておくとよいでしょう。
解決したと思っていても、保護者の不安が消えていない場合も考えられます。不安が解消されていた場合でも、「先生がていねいに見ていてくれた」という信頼につながります。何かあったときだけでなく、事後にも気を配って対応をしましょう。
保護者と連絡を取り合うことは、よりよく子供を育て、連携するチャンスです。保護者の思いに寄り添い、ていねいに対応することが、今後につながります。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年11月号より
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