学級を落ち着かせる11月の給食指導・掃除指導
クラスが乱れがちな11月。今年度の後半を子供たちと楽しく過ごすために、クラスを落ち着かせる「子供との関わり方」について考えます。ここでは、給食と掃除の時間のポイントについて解説します。
お話しを伺ったのは…
千葉県公立小学校教諭・飯村友和
神奈川県公立小学校校長・小嶋千里
目次
給食時間
子供たちの様子を見るポイントと留意点
- 給食当番の様子
(仕事の内容や進め方はきちんと理解されているか) - 配り方に勝手なふるまいがないか
(特定の人を避ける様子がないか) - 机が不自然に離れていないか
- 担任が教室にいない間の待ち方は明確か
- 時間を意識して動いているか
(小嶋千里)
学年の先生が他のクラスを回る「給食交流」
どの先生も統一した指導を行うことで、ルールの確立ができます。先生方も他のクラスの様子が見られます。
(小嶋千里)
給食のルールは趣旨説明をして継続して徹底させる
勝手に個人間で、「牛乳ちょうだい」などと取引をさせると、弱肉強食となってしまいます。年度当初に趣旨説明をし、きちんとルールを決め、それを継続させることが大切です。食が細い子、偏食の子には、無理はさせません。ただし一口でも食べるように促し、「味覚は変わっていくから、ちょっとずつ食べられるようにしていこう」と話すとよいでしょう。
(飯村友和)
掃除の時間
子供たちの様子を見るポイントと留意点
- 仕事の分担ややり方が理解されているか
- 道具が発達段階に合っているか
- メンバーの組み合わせはどうか
- 役割を公平に行っているか。
(小嶋千里)
叱ってもサボりがちな子には特別任務を与える
まず教師がいっしょになって一生懸命掃除をする姿を見せるのが何よりも重要。
そうすると、多くの子はいっしょになって一生懸命やるようになります。それをやらずに口だけで指導をしていると、うまくいかない場合が多いと感じています。そのうえで、がんばっている子をほめ、きちんとやらない子は叱るようにします。
叱っても真面目に取り組めない子は、叱るという方法では改善しません。特別任務を与え、役に立っているという実感をもたせるとよいでしょう。ただし、他の子の目があるので、単独でできる仕事を与えること。特別教室の机といすの足についているほこりとりや、高いところのすすはらいなどがお薦めです。
さらに、掃除場所ごとにポスターを作り、そこに「めあて」を書かせるのもよいでしょう。自分たちで決めためあてなので、がんばろうとする姿が見られます。
(飯村友和)
めあてをもって取り組み子供に合った役割をつくる
学級活動(2)と絡めて掃除の課題を共有したうえで、一人ひとりがめあてを立てて取り組むとよいでしょう。
また配慮が必要な児童には、その児童に合った役割をつくるなど柔軟に対応するようにします。
(小嶋千里)
取材・文・構成/出浦文絵
『教育技術 小三小四』2021年10/11月号より