効き目バツグン、子供が育つ!低学年のマジックフレーズ20!
6月と11月は、学級の荒れが気になる時期。長引くコロナ禍がストレスとなり、やる気を失っている子供たちもいるのではないでしょうか? 今回は、低学年の荒れを防ぎ、「授業中」「日常生活」「けんかやトラブル時」の3場面で効果的な、20のマジックフレーズを紹介します。効き目バツグン! 声かけ一つで、やる気もグーンとアップします。
監修/東京都公立小学校教諭・林 真未
林 真未●カナダ・ライアソン大学認定ファミリーライフエデュケーター(家族支援職)。子育て支援NPO「手をつなご」理事。著書に『低学年担任のためのマジックフレーズ』(明治図書)。

目次
マジックフレーズが低学年に効果的な理由
「チャイムが鳴っても、席に着いていない」「時間内に課題が終わらない」「自分の主張ばかりでトラブルになる」など、低学年では、まだ学校生活のルール通りにいかないことがよくありますね。
コロナ禍の本年度は、感染対策のルールも上乗せされ、子供たちは、窮屈な毎日を過ごしています。そんな今だからこそ、ちょっとした声かけで子供たちの意識を変え、毎日を少しずつ楽しくしませんか?
ここに挙げた「マジックフレーズ」はどれも、低学年特有の「10の思考回路」に寄り添い、彼らの行動をよりよい方向にアシストします。
低学年の10の思考回路
❶ とてつもなく優しくて、先生が大好き
❷ 伝えたいことが、表現できない
❸ 好奇心旺盛で、やる気満々!
❹ とりあえず、全力ダッシュ!
❺ 素直だが、融通が利かない
❻ 頭と体が直結
❼ やったことを、すぐ忘れる
❽ けんかをしても、すぐ仲直り
❾ 同じことを、何回もせがむ
➓ 家庭の影響が絶大
これらは、私が低学年を担任する中で、実際に使い、効果があったものばかりです。声かけのコツは、子供たちを信じることです。目の前の子供たちを信じて、ぜひ使ってみてくださいね。
【場面1】授業中に効くマジックフレーズ
授業の準備を促したいときに

「○○さん、正解!」
5分休みは次の授業の準備の時間。休み時間にすでに準備ができている子を、「○○さん、△△さんも、正解!」と、名前を呼びながらほめましょう。すると、できていなかった子も、慌てて準備をし始めます。「早く準備しましょう」と言うよりも、何倍も効果的。最後は、「全員、正解!」と学級全員をほめましょう。
なかなか席に着けない子がいるときに

気のせいかなー?
チャイムが鳴ったのに、立ち歩いている子がいるときは、とぼけて「あれ、まだ立っている子がいるみたいだけど、気のせいかなー?」と言ってみましょう。慌てて座る子や、「気のせいじゃないよー」と反論する子もいますが、笑顔で待っていれば、最後は全員が座ります。
授業の始まりに

「ミッションはこれだ!」
授業は「めあて」の提示から始める場合が多いと思いますが、めあてを「ミッション」に言い換えて、「さぁ、○時限目のミッションはこれだ!」と宣言して、子供たちをワクワクさせちゃいましょう。
課題を提示するときに
「やり方はこうだよ」&「あと○分だよ」
「先生、これどうすればいいの?」と課題を出した後に、教室中から質問が飛んでくることがあります。課題を出すときは、目的、やり方、あるいは文章見本などを最初に細かく伝えましょう。また、最初に課題にかける時間を明示し、その後も定期的に残り時間を伝え、時間配分もできるようにします。
課題に向かえない子に
「これじゃ、○○さんの無駄遣い!」
やろうと思えばできるのに、面倒くさがって、課題をいい加減に終わらせてしまう子がいます。そんな子には、○○にその子の名前を当てはめ、自分の力を有効に使うことを促します。「これじゃ、○○さんの無駄遣い!」と、名前を呼ぶのがポイントです。
答えを間違えたときに

「誰も間違えないなら、先生はいりません」
はりきって手を挙げ、自信満々に答えたのに、間違えて恥ずかしい思いをしてしまっている子には、このフレーズで安心させてあげてください。「誰も間違えないで、自分だけでお勉強できるなら、学校も、先生もいりません。みんなが間違えてくれるから、先生はここにいられるよ」と。また、「間違えて」「考えて」「納得して」身に付いたことは、忘れにくいことも伝えましょう。
課題が終わらない子がいるときに

「『お助け』お願い!」
授業では、一度やり方を教えた後、たくさんの問題を解いてもら うことがあります。すると、すぐに終わる子と、なかなか終わらない子が出てきます。そこで、助け合いの精神です。すぐに終わった子に、まだ終わっていない子に対して、問題の解き方を教えてもらうようにしています。
※感染症の状況を見て使いましょう。
授業の終わりに
「□□が分かったかな?」
最初に何を学ぶのかを提示し、最後に何を学んだのかを確認するふり返りに使います! 教科書の「この問題が分かった?」ではなく、その時間で学ぶべき考え方が身に付いたかどうか、このフレーズとともに問うてみてください。授業の始まりのミッションとセットで使うと効果的です。