小3社会「火事からくらしを守る」指導アイデア

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執筆/東京都公立小学校主任教諭・新宅直人
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登、東京都教育庁指導部主任指導主事・秋田博昭

目標

施設・設備などの配置、緊急時への備えや対応などに着目し、見学・調査や資料で調べることを通して、関係機関や地域の人々の関連や従事する人々の働きを考え、消防署などでは、地域の安全を守るために、相互に連携して緊急時に対処する体制をとっていることや、関係機関が地域の人々と協力して火災の防止に努めていることを理解できるようにするとともに、学習したことを基に自分たちにできることを考えようとする態度を養う。

学習の流れ(7時間扱い)

問題をつくる(2時間)

○ 杉並区内の火災の発生件数、被害の割合などの資料を基に話し合い、学習問題を設定する。

<学習問題>
火事による被害を防ぐために、だれが、どのような取組をしているのだろう。

○ 学習問題に対する予想を基に、学習計画を立てる。

追究する(3時間)

○ 消防車が火事の現場へやってくるまでの仕組みを調べる。
○ 消防署で働いている人たちの工夫や努力を調べる。
○ 消防団の活動について調べる。
○ 火災を未然に防ぐための取組を調べる。

まとめる(2時間)

○ 調べて分かったことを関係図に表現し、学習問題に対する自分の考えをまとめる。
※「学校の授業以外の場での学習が可能と考えられる学習活動」として設定することも可能です。
○ 調べたことを基に、火事を防ぐために、自分たちにできることは何かを話し合う。

導入の工夫

消火活動の写真、火災の被害状況のグラフを基に話し合うことで、身近な所でも火災が起きていることに気付き、火事から人々を守るために働く人々の仕事に関心をもって主体的に追究できるようにします。

第1時

杉並区で起きた火災の様子が分かる資料から、私たちのくらしを守る仕事の様子について、何か気付いたことはありますか。

杉並区の火災発生件数
杉並区の建物火災の被害の割合

杉並区だけで、1年間に98件もの火事が起きていてびっくりしました。建物の火災が一番多くて、80件もあるのですね。こんなに多くの火事を、どのように消しているのだろう。

80件も建物の火災が起きているのに、全焼したのが2件で、半焼したのが4件なのには驚きました。きっと、火事を早く消すための工夫や努力をしているのではないかな。

消火の様子

写真からは、ホースを使って水をかけている人たちと、その奥にいる人では着ている服の色が違っています。色が違うのは、火を消すときの役割が違うからなのかな。

問題をつくる(1・2/7時)

杉並区内で起きている火災の状況や、火事を消している様子などの資料から、私たちのくらしを守るための仕事について、疑問に思ったことを話し合います。

学習問題
火事による被害を防ぐために、だれが、どのような取組をしているのだろう。

まとめる(7/7時)

学習してきたことを基に、私たちのくらしを火災から守る仕事に従事する人々の働きを考えるとともに、自分たちにできることを考えます。

話合い活動の工夫

関係図や学習問題に対する自分の考えを根拠にして、火災を防ぐために自分たちにできることを話し合います。

第7時

これまでに学習してきたことを基に、私たちには、火災を防ぐために何ができるのか、話し合ってみましょう。

消防署や消防団だけでなく、地域でも火事を防ぐための取組をやっているので、今度、防災訓練に参加したいと思います。

火事を消すだけでなく、火事を起こさないことにも力を入れていることが分かったので、法律で火災警報器を付けるきまりになっていることを、ポスターで伝えます。

公助や共助の取組がしっかりしていても、やっぱり自分たちが意識することが大事だと思うので、そのことを家族と話し合いたいと思います。

地域・消防署・消防団の関係図

地域や消防署・消防団が、それぞれどのような取組をしているのか、調べて分かったことを図に整理します。そして、関係図や学習してきたことを根拠にして、火災を防ぐために、「自分」や「私たち」はどのようなことができるかを話し合うことが大切です。

単元づくりのポイント

本内容は、地域の安全を守る働き(消防と警察)として、「緊急時に対処する体制をとっていること」と「防止に努めていること」を学習します。単元づくりをする際には、消防と警察の働きの学習のどちらかに重点を置くなど、効果的な指導を工夫することが大切です。

単元の導入では、火災の写真のほかに、火災の発生の様子を表やグラフなどで示し、子供が「火災をゼロにすることは難しい」という事実を把握したうえで、学習を進めていくことが大切です。


イラスト/横井智美、佐藤雅枝

『教育技術 小三小四』2020年11月号より

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