小6外国語 Unit 5「We all live on the Earth.」指導アイデア②
文部科学省視学官の監修による、小6外国語科の授業案です。今回はNEW HORIZON Elementary 6 Unit 5 「We all live on the Earth. 食物連鎖(フードチェイン)について発表しよう」の単元の第5時~第8時を扱います。1人1台端末を活用した活動のアイデアも紹介します。
執筆/山口県教育委員会指導主事・植杉公哉(山口県公立小学校の授業事例集を基に構成)
監修/文部科学省視学官・直山木綿子
監修/山口県教育委員会指導主事・櫻井健一郎
目次
単元と活動
We all live on the Earth.(NEW HORIZON Elementary 6 Unit 5)
食物連鎖(フードチェイン)について調べたことを友達やALTの先生に発表しよう!
単元の目標
○生き物や自然を表す語句や、“Where do ~ live?”、“~ live in ~.”、“What do ~ eat?”、“~ eat ~.”などの表現について理解し、食物連鎖(フードチェイン)について調べたことを伝えることができる。
○地球に暮らす生き物や、そのつながりについて考えたことを伝えるために、生き物や自然について簡単な語句や基本的な表現を用いて発表することができる。
○地球に暮らす生き物や、そのつながりについて考えたことを伝えるために、生き物や自然について簡単な語句や基本的な表現を用いて、自分の気持ちや考えなどを話すことができる。
単元の評価規準
●知識・技能
〈知識〉
・生き物や自然を表す語句の意味や発音方法を理解している。
・“Where do ~ live?”、“~ live in ~.”、“What do ~ eat?”、“~ eat ~.”などの表現の意味や発音方法について理解している。
〈技能〉
・食物連鎖(フードチェイン)に関して調べたことについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・相手の考えたことをよく知るために、生き物や、そのつながりなどについて、短い話の概要を捉えている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、地球に暮らす生き物について、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
・相手の考えたことをよく知るために、生き物や、そのつながりなどについて、短い話の概要を捉えようとしている。
・外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、地球に暮らす生き物について、短い話の概要を捉えようとしている。
●知識・技能
〈知識〉
・生き物や自然を表す語句の意味や発音方法を理解している。
・“Where do ~ live?”、“~ live in ~.”、“What do ~ eat?”、“~ eat ~.”などの表現の意味や発音方法について理解している。
〈技能〉
・食物連鎖(フードチェイン)に関して調べたことについて、考えや気持ちなどを伝え合う技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・相手に自分の考えたことをよく知ってもらうために、地球に暮らす生き物同士のつながりについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて話している。
●主体的に学習に取り組む態度
・相手に自分の考えたことをよく知ってもらうために、地球に暮らす生き物同士のつながりについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて話そうとしている。
●知識・技能
〈知識〉
・生き物や自然を表す語句について理解している。
・“Where do ~ live?”、“~ live in ~.”、“What do ~ eat?”、“~ eat ~.”などの表現について理解している。
〈技能〉
・生き物や自然を表す語句や“Where do ~ live?”、“~ live in ~.”、“What do ~ eat?”、“~ eat ~.”などの表現を用いて、考えや気持などを書く技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
・相手に自分の考えたことをよく知ってもらうために、地球に暮らす生き物同士のつながりについて、例文を参考に書いている。
●主体的に学習に取り組む態度
・相手に自分の考えたことをよく知ってもらうために、地球に暮らす生き物同士のつながりについて、例文を参考に書こうとしている。
教材
- 『NEW HORIZON Elementary 6』(児童用テキスト・デジタル教材)
- 振り返りカード・ワークシート
- ピクチャーカード
授業のポイント
6学年の学習のテーマである「世界に生きるわたしたち」のもと、Unit 5では世界と日本のつながりについて考えをもち、それを伝えていく学習を展開していきます。動画では、友達同士で生き物に関するクイズを出し合う場面を通して、単元で学習する題材や英語表現を捉えさせたり、学習の見通しをもたせたりします。言語活動を中心とした授業構成を仕組むこと、授業の終末に行う振り返り活動を充実させることを意識的に行うことで、授業で学んだことの定着を図ります。
「1人1台端末」活用のポイント
○単元末の活動につながるゲーム性のある活動を繰り返し行い、語句や表現への慣れ親しみを充実させます。その際は、単元を通して言語活動を仕組み、端末を補助的に使いながら自分の考えを伝える経験を積ませるようにします。
○振り返りの活動を充実させるために、テスト機能(ロイロノート)を用いてリスニング問題等を行い、視点を示して振り返りを記述させる場を設定していきます。また、回答比較機能(ロイロノート)を使って、互いの振り返りを共有したり、価値付けを行い、良質な振り返りの視点について捉えることができるようにします。
○単元の終盤では、単元末の姿について子供と共有を図ります。その上で、互いのスピーチを録画し、客観的に自分のスピーチを捉えさせる場を設定します。また、友達のスピーチの様子を視聴する場を設定し、互いのよいところを自分のスピーチに生かすことができるように働きかけます。また、「振り返りポイント」を基に動画を見て振り返ることで、伝わりやすいスピーチになるよう工夫できます。
単元計画
第1時~第4時は、小6外国語 Unit 5 “We all live on the Earth.”指導アイデア①をご覧ください。
授業の流れ(全8時中 5~8時)
第5時
わたしたちと自然との関わりについて自分の考えをもたせます。また、単元末の活動に向けて頑張ることの確認(ルーブリックの共有)を行います。《Over the Horizon》
1.挨拶
Let’s start English class! Hello. How are you?
2.Small Talk “What do penguins eat?” (p.48)
教師とALTの自己開示によるモデル→教師と児童のやり取りによるモデル→児童同士のやり取り、という順番で行います。
What animal do you like?
I like penguins.
Me, too. They are cute. Could you tell me about penguins?
OK. Penguins live on the island. Penguins eat fish.
Penguins also eat squid and tako(octopus). So, penguins can swim well.
It’s cool. Penguins are cute and cool.
やり取りの概要、聞こえた英語、対話などについて、デモンストレーションで捉えた内容を確認していきます。また、その際に使う英語表現についても確認します。
3.【Let’s Sing】【Let’s Chant】語句や表現の発音練習
【Let’s Sing】
歌詞の発音方法を確認し、音の接続や抑揚などを意識して歌えるところを増やします。普通のスピードで、カラオケで歌うことに取り組みます。
【Let’s Chant】
生き物の住む場所と食べるものについて発音練習を行います。既習の学習場面を想起させ、今回の学習場面と比べる対話を行い、「Small Talk」で使用した、自分の考えを伝える表現の特徴を捉えることができるようにします。
前回の気付きに加え、言葉の順序は変わっていない(誰が→どうした→どこに)といった語順のきまりに関する気付きを価値付けるようにします。
4.わたしたちと自然との関わりについての表出する活動(p.48) *評価活動「聞くこと」(知・技)(思・判・表)(態度)
わたしたちと自然の関わりについての発表を聞いて、困ったことや大切にしたいことなど、必要な情報を聞き取り、ワークシートに記入します。
(先生のスピーチ例)
Hello. What animal do you like? I like dolphins.
Dolphins live in the sea. Dolphins can swim fast. It’s cool.
Dolphins eat fish. Fish eat shrimp. And shrimp eat seaweed.
We all live on the earth.
But, the sea is not clean. There is a lot of plastic trash.
Dolphins are in trouble with plastic trash.
It is important to keep the sea clean.
※これまでに慣れ親しんだ語句や表現に【Let’s Listen ③】やp.48の内容を加え、わたしたちと自然の関わりについての考えを見聞きさせる場を設定します。どのような問題が起きているか、それに対してどのようなことを考えているかなど、相手の考えを捉えるために必要な情報を聞き取り、ワークシートに記入します。
5.単元末の活動のモデル(昨年度の6年生の様子)を示し、「頑張りポイント」を共有
学校で撮影した昨年度の6年生のUnit 5の発表の様子を、今年度の6年生に視聴させる場を設定します。単元の終盤に差し掛かった子供は、単元末の活動に対して「何とかできそうだ」と前向きな気持ちになっていることが考えられます。そういった子供に、昨年度の6年生の頑張っている姿を見せ、「さらに工夫できることはないかな」と相手に伝える際のポイントを探らせるようにします。対話を通してポイントを整理し、授業前に作成したルーブリックと照らし合わせて、子供の言葉で「頑張りポイント」として整理していきます。
6.「頑張りポイント」を基に、自分が特に意識して取り組むことについて決めて、ペアで試す活動
共有した「頑張りポイント」の中から選んで、友達と互いの考えを伝え合う場を設定します。活動の際は、伝えた相手から「よかったところ(工夫したところの効果)」についてフィードバックが得られるようにします。そして、相手を変えながら自分の考えや思いを伝える経験を積ませます。
7.確認問題と振り返り *「1人1台端末」活用
・ロイロノートを活用して行います。
・振り返りの視点を示し、アンケート機能を使って子供は選択肢を選んで回答したり、振り返りの記述を行ったりしてシートに記入します。
8.挨拶
That’s all for today. Thank you everyone.
Thank you, Mr./Ms.~.
See you next time.
第6時
食物連鎖(フードチェイン)について調べたことや考えたことについて友達に発表し、互いのよいところを伝え合ったり、取り入れられる工夫について探ったりなどを行います。
1.挨拶
Let’s start English class! Hello. How are you?
2.Small Talk
What animal do you like?
I like penguins.
Why do you like penguins?
Because penguins are cute and cool.
Cool?
That’s right. Penguins can swim well.
Where do penguins live?
Penguins live on the island.
What do penguins eat?
Penguins eat fish. Penguins eat squid and tako(octopus).
※【Step1】(p.46)の内容
3. 【Let’s Sing】【Let’s Chant】語句や表現の発音練習
【Let’s Sing】
歌詞の発音方法を確認し、音の接続や抑揚などを意識して歌えるところを増やします。普通のスピードで、カラオケで歌うことに取り組みます。
【Let’s Chant】
生き物の住む場所と食べるものについて発音練習を行います。既習の学習場面を想起させ、今回の学習場面と比べる対話を行い、「Small Talk」で使用した、自分の考えを伝える表現の特徴を捉えることができるようにします。
前回の気付きに加え、言葉の順序は変わっていない(誰が→どうした→どこに)といった語順のきまりに関する気付きを価値付けるようにします。
4.【Enjoy Communication】Step 2(p.46)互いの発表についてアドバイスを出し合い、内容をふくらませたり発表方法を工夫したりする活動
フードチェインカードを使ってやり取りを行う場を設定し、食べる・食べられるの関係を2つ以上発表することができるようにします。また、ペアで練習する十分な時間を設定できるように留意します。
*「1人1台端末」活用
ある程度、練習ができたら、各自の端末でスピーチのビデオ自撮りをするように指示します。自分で見直すことで、伝わりやすさの工夫につなげます。
<見直しの視点>
○内容の工夫:フードチェインについて、食べる・食べられるの関係を複数入れて紹介している子供を取り上げ、全体でめざす方向を示します。
○伝え方の工夫:ペアに聞いてもらうことで、声量や話すスピード、視線やジェスチャー、視覚的な支援などにも意識を向けられるようにします。
自撮りした映像を見直し、内容や伝え方について振り返りながら、発表をよりよくする工夫を探ることも考えられます。
5.リトライと振り返り *「1人1台端末」活用
・工夫を加えたスピーチをもう一度録画し、最初のスピーチ動画と比較します。
・単元末のゴールに対する自分の到達度を選びます。
○振り返りシートに記入します。
6.挨拶
That’s all for today. Thank you everyone.
Thank you, Mr./Ms.~.
See you next time.
第7時
食物連鎖(フードチェイン)について調べたことや考えたことについて、友達やALTに伝わる工夫を取り入れて発表します。
1.挨拶
Let’s start English class! Hello. How are you?
2.【Enjoy Communication】Step1・2 パフォーマンステストに向けた、語句や表現における発音練習
前回撮影した映像を見て、再現練習を行うようにします。ある程度、できるようになったら、ペアで生き物の住む場所や食べ物などについて発表練習する場を設定します。
3.【Enjoy Communication】Step 3(p.47/88) パフォーマンステスト「食物連鎖(フードチェイン)について発表しよう。」 *評価活動「話すこと」(発表)(知・技)(思・判・表)(態度)
*「1人1台端末」活用
フードチェインカードや視覚的な支援(ポスターなど)、発表の際に必要な情報は大型ディスプレイに提示して発表することができるようにします。発表の様子を録画し、8時間目の振り返りで活用します。
4.振り返り
ALTや先生から、発表に関するコメントをもらいます。その後、振り返りシートを記入し、感想を含めて互いの意見を交流する場を設定します。
Please listen to ALT’s comments. Reflection time.
5.挨拶
That’s all for today. Thank you everyone.
Thank you, Mr./Ms.~.
See you next time.
第8時
食物連鎖(フードチェイン)についての発表や単元の学びを振り返り、自己の成長を捉えられるようにします。
1.挨拶
Let’s start English class! Hello. How are you?
2.【Let’s Sing】【Let’s Chant】Unit 2の歌・チャンツのまとめ
【Let’s Sing】
Let’s sing a song.
通常のスピードで1回歌い、最初の段階からの成長点を伝えたり表出させたりする場を設定します。
【Let’s Chant】
普通のスピードでカラオケにして行い、最初の段階からの成長点を伝えたり表出させたりする場を設定します。
3.パフォーマンステストの振り返りと相互評価(3~4人の小集団活動)
(1)パフォーマンステストの様子を動画で振り返り、ルーブリックを用いて自己評価します。
(2)友達から、発表に関するよいところについてのコメントをもらい、振り返りカードを記入し、共有します。
(3)コメントの内容について共通するところを班でまとめ、「〇班の発表ポイント」としてロイロノートの提出箱に提出。
(4)各班の発表のポイントを見比べ、共通する点を「〇組の発表ポイント」として共有します。
*「1人1台端末」活用
録画した自分自身の発表の様子を確認します。班で互いの発表を確認しながら進められるように、前時に撮影した映像は「資料箱」に格納しておき、子供が取り出して見ることができるようにしておきます。
4. 発表した英文について、p.88を参考にしながら書く活動 *評価活動「書くこと」(知・技)(思・判・表)(態度)
これまで書きためてきた内容とパフォーマンステストで発表した内容を振り返り、例文等を参考にしながら書くように指示します。支援の必要な子供は個別にサポートします。
5.【Sounds and Letters】(p.43~p.48)アルファベットの音を確認しよう
◎音つなぎ①~⑤、Quiz⑦~⑨(p.92、93)
音声を聞いて初頭の文字を推測して書くように指示します。イラストとスペルを結ぶように指示します。その際は、文字の音を一つずつ音声化してみるように声かけを行います。
Circle the pictures that start with the same sound. Then write the letter.
6.【世界のすてき】(p.49)ブラジル旅案内を聞こう
【世界のすてき】の動画を視聴し、分かったことについて、メモを取るように指示します。
Now let’s watch the video about Brazil and take notes.
7.振り返り(単元末の振り返り)
Picture Dictionary p.44、45の「英語で何ができるようになるのかな?」に色塗りをします。
色を塗ることができないと感じている子供には個別に支援し、「わたしのせりふ」(p.88)を一緒に読んで、色を塗ることができるようにします。
8.挨拶
That’s all for today. Thank you everyone.
Thank you, Mr./Ms.~.
See you next time.
教材ダウンロード
・振り返りシート①(児童用)
・振り返りシート②(教師用)
・振り返りワークシート
第1時~第4時は、小6外国語 Unit 5 “We all live on the Earth.”指導アイデア①をご覧ください。
イラスト/荻野琴美(オーデザインチャンネルズ)、横井智美