小4算数「四角形を調べよう」指導アイデア
執筆/新潟県公立小学校教諭・竹内直也
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、新潟県公立小学校校長・遠藤昇
目次
本時のねらい
本時10/15時
平行四辺形の作図について、一部分が破れた平行四辺形と同じ形の平行四辺形をつくる活動を通して、定義や性質を利用した平行四辺形のかき方が分かる。

評価規準
平行四辺形の定義や性質を利用して平行四辺形をかくことができる。

問題
右のように平行四辺形がやぶれてしまいました。この平行四辺形と同じ形を紙でつくりましょう。
破れたところが分からないよ。かけるかなあ。
でも2本の辺の長さと1つの角の大きさは分かるよ。
頂点エはあのあたりだよね。頂点エの場所が分かれば、かけそうだよ。
学習のねらい
どうすれば、平行四辺形をかくことができるだろうか。
見通し
平行四辺形はどのような四角形でしたか。
【平行四辺形の特徴(定義や性質)】
①向かい合う2組の辺がそれぞれ平行
②向かい合う辺の長さが等しい
③向かい合う角の大きさが等しい
④となり合う角の大きさの和が180°
前時までに学習した平行四辺形の定義や性質を想起させ、作図の方法を考える見通しをもたせます。
平行な直線をかけばいいのかなぁ。
辺の長さや角の大きさが等しいことも使えそうだね。
どれか一つの特徴を使えばできそうだよ。
自力解決の様子
A つまずいている子
定義や性質は想起したものの、それらをどう利用すればよいか分からない。
B 素朴に解いている子
定義や性質を想起しつつも、定規を使って半ば直感的に作図している。
C ねらい通り解いている子
利用する定義や性質を意識し論理的に考えながら、コンパスや三角定規を使って作図している。
学び合いの計画
自力解決の後に、ペアや少人数グループで互いの作図方法について紹介させます。
Aの子供(つまずいている子供)は「自分でもできそう」と判断した友達の考えを取り入れ、再び自力での追究ができるようにします。
また、それぞれの作図の妥当性を検討させ、作図の方法が複数あることにも気付かせます。
ノートの例

全体発表とそれぞれの考えの関連付け
子供が考えた複数の作図方法を取り上げ、頂点エの決め方に焦点付けて、代表の子供に「手順(どのようにかいたか)」「理由(なぜそのように考えたか)」を発表させる。

三角定規を使って辺アイに平行な辺ウエ、辺イウに平行な辺アエをかく。2本の辺が交わった点が頂点エ。

コンパスで頂点アから辺イウと等しい4㎝、頂点ウから辺アイと等しい3㎝のところに印を付ける。交わった点が頂点エ。

角イは70°だから角アと角ウは110°。それぞれの角を分度器で測って2本の辺をかく。交わった点が頂点エ。
「①向かい合う2組の辺がそれぞれ平行」だからだね。
「②向かい合う辺の長さが等しい」を使っているね。
「④となり合う角の大きさの和が180°」を使って考えたんだね。すごい!
発表された作図方法が、平行四辺形の定義や性質のうち、どれを利用しているのかを明らかにします。いずれの方法も、図形の定義や性質を利用していることやそのことのよさに気付かせます。
学習のまとめ
「辺の平行」「辺の長さ」「角の大きさ」に注目して、平行四辺形の特徴(定義や性質)を使えば、平行四辺形をかくことができる。

評価問題
右の平行四辺形を完成させましょう。

解答
本時の評価規準を達成した子供の具体の姿
正しく平行四辺形を作図するとともに、作図の手順やその理由(利用した図形の定義や性質)について記述している。
感想
形の特徴を上手に使えば、平行四辺形がかけたよ。同じようにして、ひし形もかけるかな。
『教育技術 小三小四』2020年7/8月号より