タブレットで授業デザインを変えよう!

GIGAスクール構想のもとに、児童たちにも一人1台のタブレットが導入されるなど、学校現場もいよいよ本格的なICT活用の波が到来しました。実際の授業において、タブレットを生かすにはどうしたらよいのか、また、効果的な活用方法とは具体的にどのようなことなのか、プログラミングやオンライン授業などを早くから実践してきたベテラン教師、西尾環先生から、著書「 タブレットで変わる授業デザイン」で解説しているポイントについてお話を伺いました。

熊本県公立小学校教諭・西尾環さん

熊本県公立小学校教諭・西尾環さん

自ら学び、深く思考し、楽しむ学習を創造することを可能にする

ー本書ができた背景は?

西尾 令和の時代になり、新型コロナ禍を経験した私たちは、社会が新しいスタイルで進み始めたことを実感しています。大人も子どもも日常生活の中で、デジタルと共存していくべき時代であることを理解してきたのです。いよいよ、超スマート社会(Society5.0)へ移行するときがやってきました。

学校の授業デザインも進化し、子どもたちが自ら学び、深く思考し、楽しむ学習を創造することが大切です。それを可能にするツールがタブレットです。

―本書の特徴を教えてください。

西尾 小学一年生から六年生までの、タブレットのさまざまな授業実践を紹介しています。小一音楽、小二算数や生活、小三体育、小四理科、小五国語や社会、図画工作、家庭、小六国語や社会、総合、学級活動など、授業実践は学年も教科等も多岐にわたります。さらにオンラインやプログラミングなど新たな分野での活用も述べています。

写真、動画、アプリ、授業支援のクラウドアプリ、シンキングツール(ロイロノート)などを活用したタブレット実践やオンライン学習を、具体的に紹介しています。タブレット一人1台の時代に、すぐに役立つ授業デザインばかりです。しかも実践のほとんどが、著者による授業だということも特徴です。

「何ができるようになるか」「どのように学ぶか」どちらにも効果的

―これからの授業デザインとは、どのようなものでしょうか。

西尾 令和2年度は、小学校で新しい学習指導要領がスタートしました。文部科学省では、新しい学習指導要領の考え方を1枚の図で表しています。そこでは、「何ができるようになるか」(新しい時代に必要となる資質や能力の育成)の一つに、「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力の育成」が示されています。これは、今の子どもたちがまさにそのような時代に生きていることと重なります。

今こそ、必要な力を育成しなければなりません。また「どのように学ぶか」で主体的・対話的で深い学びを目指すことは、ここ数年間一貫して言われ続けきたことです。そして、そのどちらにもタブレット活用が効果的です。本書の実践も、この「学びの地図」の実現を目指したものになっています。最終的には、「未来に開かれた教育課程」の実現にもつながることを意識しています。

―ICT教育が目指す子どもの姿とは、どのようなものでしょうか。

西尾 令和の時代は、昭和や平成の時代とは比べものにならないほど多様化しています。そして、デジタルな時代です。しかし、基本的には子どもの「学びたい」「学びって、楽しい」という意欲や喜びは、変わらないはずです。

むしろ、これだけ多くの情報機器が出てきているのですから、私たち教師も、もっと子ども自身が積極的に学ぶ授業をデザインすることが可能です。それは、子どもたちが幸福で楽しい人生を送ることにつながります。

西尾環さんの本
教育技術ムック「タブレットで変わる授業デザイン
小学館

この記事は、先生のための教育事典「EDUPEDIA」でも配信します。あわせてお読みください。

取材・文/浅原孝子

『教育技術 小三小四』2021年4/5月号より

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