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「スクールカウンセリング」とは?【知っておきたい教育用語】

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【みんなの教育用語】教育分野の用語をわかりやすく解説!【毎週月曜更新】
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いじめ、不登校、非行、発達障害、虐待など、学校生活でいろいろな困難にあっている子どもたちがいます。そのような子どもたちにどのような援助の手を差し伸べたらよいのでしょうか。子どもたちだけでなく、教職員、それから保護者にも援助が必要です。その援助活動がスクールカウンセリングです。

執筆/立正大学准教授・奥野誠一

みんなの教育用語

教育相談とスクールカウンセリング

生徒指導提要学習指導要領にも記されているように、教育相談はすべての教師によって行われる教育活動です。生徒指導の一環であり、教職員によるあらゆる教育活動に含まれるものです。

それに対して、スクールカウンセリングは、学校内の教育相談体制の中に位置づけられていますが、スクールカウンセラー(SC)によって行われる専門的な活動です。問題を自己解決する子どもの力を引き出し、心理的な成長・発達を援助するものです。

スクールカウンセラーの援助活動

スクールカウンセラーの活動は、「カウンセリング」という言葉から連想される個別相談のイメージをもたれることが多いようです。しかし、個別相談だけではなく、次のようなものがあげられます。

  • アセスメント:心理学的視点による子どもや集団の状態の理解
  • カウンセリング:個別の心理相談やグループ・カウンセリング(ソーシャルスキル教育、構成的グループエンカウンター、ストレスマネジメントなどの集団での心理教育プログラム)
  • コンサルテーション:子どもの理解やかかわり方に関する教職員との相談
  • コーディネーション:学校内外の関係者で支援体制をつくるための調整や支援
  • ケースマネジメント:支援計画の立案・実践・効果検証
  • 教職員への研修:子どもの問題理解やカウンセリング能力向上を目的とした校内研修
  • リファー:関係機関等の紹介

保護者との相談も重要な活動です。保護者の抱える不安や悩みをきくという点ではカウンセリングといえますが、子どもをどう理解してかかわわるかを目的とすることが多く、教職員との相談(コンサルテーション)と共通しています。保護者対象の講演会などを行うこともあります。

これらの活動は従来から行われてきましたが、文部科学省の諮問機関として2015年に設置された「教育相談等に関する調査研究協力者会議」によってスクールカウンセラーの役割が明確化され、ガイドラインも示されています。

3段階の教育的援助の枠組み

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