少しの工夫で好感度UP!保護者との上手なコミュニケーション

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知っておきたい「保護者対応」関連記事まとめ

新学年スタートの1か月は、子供と同時に保護者との信頼関係をつくるために大切な時期。人間関係づくりの上手なベテラン教師から、対保護者についてのアイデアを取材します。

監修/東京都公立小学校主任教諭・佐々木陽子

少しの工夫で好感度UP!保護者との上手なコミュニケーション

保護者会

中身の前にまず外側を意識

保護者会では、第一印象が大事です。男女ともに紺、グレー、黒、茶の定番スーツの着用がよいでしょう。シャツや襟元に汚れやシワなどがありませんか? その細部に、教師としての心構えを感じる保護者も多いものです。

身なりをきちんとした状態でいれば、保護者から見て安心感があります。余計なところでマイナスに見られたり損をしたりしないためにも、あらかじめ服装の細部や髪型の確認をしましょう。

佐々木先生の経験談を一つ。当日スーツを着たらスカートのファスナーが閉まりません。体がふくよかになり、合わないことが発覚! しかたなく別のスカートを着用し、上下アンバランスな装いに……。こんなハプニングもあるので、事前に着用して確認しておくと安心です。

男女ともに紺、グレー、黒、茶の定番スーツの着用

連絡帳・電話

謝罪やお礼の言葉を入れる

学校で子供にけがをさせてしまったり、物がなくなったりした場合には、「申しわけありません」などの謝罪の言葉を連絡帳の文面に入れます。事実だけを連絡帳に書くより、謝罪のひと言で教師の人となりが表れます。

また、保護者からの連絡ごとには、「ご連絡ありがとうございます」とのひと言を添えましょう。そのひと言で、コメントをしてくれる保護者が「連絡を入れてよかった」と安心します。

ケガした子供について連絡用を書く教師

伝え方が難しいなら、電話を一本入れておく

連絡帳に書くことで誤解を招くような内容、伝え方が難しいと思うことは直接会う、あるいは電話で対応することをおすすめします。相手の反応を受け取りながら、正確な説明ができるからです。

詳しく言えば、連絡帳に書いたことはすべて証拠として残るものなので、言いわけができないうえ、表現のしかたや受け取り方に違いがあると事が大きくなり、トラブルのもとになりやすいからです。

「休み時間に走っていて転び、かすり傷のけがをしました。お家でも様子を見てください」などのちょっとしたけがなら連絡帳で伝えますが、「頭を強打した」など首から上の事故やけがなど、そのあとの容態が変わりそうな案件は電話で話しておきましょう。

また、「学習中に〇〇くんと喧嘩になり、定規が折れました」といった子供同士のトラブルや物の破損などは、双方の保護者に情報を共有しておかないと、後々トラブルの原因になることがあります。

状況が複雑なものであれば、連絡帳だけではなく、お互いの保護者に電話連絡を入れておくことが鉄則です。

保護者に電話連絡する教師

学級通信

こまめに子供の様子を伝える

保護者会などで話すことや表現することが苦手な教師は、文章に表すとよいでしょう。

学級通信は、毎日が無理なら、一週間に一回発信していくことで、保護者からの大きな信頼につながります。

「クラスで大縄200回跳べるようになりました!」「給食を完食する日が続いています」など、子供の様子をこまめに伝達してくれる教師は、保護者からの評価が高くなります。

学級通信のイメージ
学級通信の例

クラス写真を載せる

学級通信に、クラス写真(担任の教師入り)を載せてはいかがでしょう。

「クラスにどんな子がいるのか」「どんな感じの担任なのか」を保護者がひと目で把握できるからです。

写真とともに担任の趣味や特技を載せて、自分をアピールしてもよいでしょう。少しでも担任の情報があると、早い段階で保護者に安心感を与えることができます。

クラス写真

子供との出会いの日

子供の後ろには常に保護者がいると意識

子供との出会いは大切にしたいものです。それは子供との関係性だけの問題ではありません。子供はその日にあったうれしかったことや悲しかったことを保護者にしゃべるからです。

特に4月は、担任が「どんな人か?」「子供のことをどう見ているのか?」親子ともども関心が高くなります。

はじめの印象は、その後の1年間引きずります。担任は、事前に自己分析してキャラ設定をしておいてもよいでしょう。

例えば「おもしろい教師」とキャラ設定したら、おもしろい話やおもしろいイベントなど、おもしろシリーズで出会いを演出します。すると子供が「お母さん、今年の先生はおもしろい先生だよ! 今日の学校楽しかった!」と話し、保護者も安心できるのです。

子供の後ろには常に保護者がいる

学校公開・地域行事

保護者を見付けたら進んで話しかける

保護者にどんどん話しかけるよう心がけます。学校の廊下や学校からの帰り道、地域の祭りなど保護者と出会う機会がありますが、会釈で終わらせるのはもったいないことです。これも何かの縁と捉え、普段の子供の様子を付け加えて話すとよいでしょう。

特にほめる話題を中心に提供します。例えば、「○○さん、毎朝、元気に大きな声であいさつしてくれます。私も朝から気持ちがいいです」「男女関係なく誰とでも仲よくなれるのに感心しています」など、日常の些細な事柄がよいでしょう。その積み重ねが保護者の信頼につながります。

保護者を見付けたら進んで話しかける

取材・文・構成/浅原孝子
イラスト/嵯峨根明日香(オーデザインチャンネルズ)

『教育技術 小三小四』2021年4/5月号より

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