小3理科「こん虫をしらべよう」指導アイデア
執筆/埼玉県公立小学校教諭・渡辺南
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、埼玉県公立小学校校長・引間和彦
目次
単元のねらい
身の回りの生物について、探したり育てたりする中で、これらの様子や周辺の環境、成長の過程や体のつくりに着目して、それらを比較し、生物と環境とのかかわりや昆虫や植物の成長のきまり、体のつくりを調べる。それらの活動を通して理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に差異点や共通点を基に、問題を見いだす力や生物を愛護する態度、主体的に問題解決しようとする態度を育成する。
単元の流れ(四次 総時数10時間)
一次 チョウの育ち方(5時間)
① 卵を探し、観察する
② 卵の変化の様子を観察する
③ 幼虫の変化の様子を観察する
④ さなぎの変化の様子を観察する
⑤ 成長の変化をまとめる
一次の①では、チョウの卵探しから始めます。子供たちは成虫のチョウを探し始めたり、キャベツに産卵するチョウを観察したりします。この活動を通して、チョウの産卵の仕方や幼虫の食べ物などにも、自ら気付くことができます。
二次 チョウの成虫の体のつくり(1時間)
① チョウの成虫の体のつくりを観察する
三次 こん虫などのすみか(2時間)
① こん虫などの動物のすみかを探す
② こん虫などの動物のすみかをまとめる
三次では昆虫のみに絞らず、子供たちにとっては虫の仲間と捉えてしまいがちな身近な動物である「クモ」や「ダンゴムシ」にも着目し、これらは昆虫であるのか、学習してきたことから差異点を探り、理解を深めるようにします。
四次 こん虫の体のつくり(2時間)
① こん虫の体のつくりについて調べる
② こん虫の体のつくりをまとめる
単元の導入
キャベツの苗を植えておく
モンシロチョウが飛び交うようになると、キャベツの葉に卵を産み付ける姿が観察できます。3月上旬頃に苗を植えると、本学習の頃には大きく育っています。市販のキャベツは、農薬を用いて栽培されていることも多いため、校内で育てたキャベツであれば、安心して幼虫に与えられ一石二鳥です。
校内の柑橘系の樹木を探しておく
アゲハチョウは、ミカン科の樹木に卵を産み付けます。正午頃に産み付ける様子をよく見られます。また、サンショウの木があると、そこにも産み付けている様子が見られます。
活動アイディア~資質・能力の育成をめざして~
二次でチョウの体のつくりを調べ、昆虫の体のつくりに気付いています。三次では、子供たちが虫だと思っている動物も含めて食べ物とすみかを調べる授業を行い、チョウの食べ物やすみかと比較し、差異点を見付けるなどの活動を通して、資質・能力の育成をめざしましょう。
授業の展開例(三次 第1・2時)
昆虫などの動物を探し、食べ物とすみかを調べてまとめます。
【自然事象への関わり】
イラスト/たなかあさこ
『教育技術 小三小四』2020年6月号より