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【ブックレビュー】『なぜ、いま小学校で外国語を学ぶのか』

2019/5/14

来年度からいよいよ、中学年に外国語活動が、高学年に教科として外国語が正式に導入されます。文部科学省教科調査官の直山木綿子先生が外国語教育について語った『なぜ、いま小学校で外国語を学ぶのか』は、外国語の授業への不安感を期待感に変えてくれる一冊です。

「教科調査官」なのに親しみやすい!

「文部科学省」の「教科調査官」監修の本書。内容は信頼がおけそうだけれど、お堅い文章で読むのに疲れそう…といった心配は無用。エッセイ感覚ですいすい読める序章には、おもしろエピソード(好きな男子と同じ高校に行きたいがために必死で受験勉強!)なども綴られていて、一気に親しみが沸いてきます。

新教材の具体的な活用法もわかる

現役教師との対談も収録されており、そこでは、2018年度で10年を迎えた小学校での外国語活動の成果や課題について語られます。新教材『We Can!』『Let’s Try!』の活用の仕方も、悪い例も含めて具体的に話されているので、参考になるはずです。小学校の先生たちは英語教師ではなく、「英コ教師」(英語コミュニケーションの教師)というお話など、なるほどなぁと感心してしまいます。

小学校で英語を学ぶ意味とは?

本格的なグローバル化に対応するために外国語を学ぶ必要性が、各種データもふまえてわかりやすく説明されます。そして、なぜ今、外国語教育が小学三年生から実践され、五年生から教科化されるのかが、学習指導要領の考察から始まり、かみ砕いて解説されます。

高学年の外国語科は決して中学校英語の前倒しではなく、読み書きへつなげる細かいステップを踏んでいることなどが理解できるので、指導の道すじをはっきり定められそうです。

中学・高校のつながりも意識

小学校の外国語教育だけがフォーカスされがちですが、そこからつながる中学校・高等学校の外国語教育も大きく変わります。中学・高校の英語の授業や大学受験についても触れられているので、未来を見据えた指導をするために、読んでおいて損はありません。

保護者にも知ってほしいこと

自身の子育てにおける失敗談についても語られ、英語学習へ期待と不安をあわせもつ保護者にとっても参考になる内容となっています。幼少期からの英語教育の必要性の是非はよく語られますが、「まずは母語の力を育てることが大切」という、英語教育のエキスパートである直山調査官の意見は、とても説得力があるものなのではないでしょうか。

底の浅いハウツーではなく、外国語を学ぶ真の意義が語られているこの本。外国語の授業へのモチベーションもぐぐっとアップすること間違いなしです!

レビュー/編集部


直山調査官

著者・直山 木綿子

文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官。情報教育・外国語教育課外国語教育推進室教科調査官。国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官。英語科教諭として京都市の中学校に勤務後、1998年度より京都市立永松記念教育センター(現京都市総合教育センター)に勤務。京都市における小学校英語指導計画、教材を作成、小学校外国語活動のカリキュラムを開発。2009年4月より現職。『Hi,friends!』『We Can!』『Let’s Try!』の開発・活用とともに、全国各地での研修や公園など、日本の英語教育の充実と推進に日々邁進する。


『なぜ、いま小学校で外国語を学ぶのか』
監修/直山 木綿子 取材・構成/浅原 孝子 
定価 本体1500円+税 発売日 2019年3月15日  発行 小学館
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