国語の構造的板書② ~二段対応表で比較する~

連載|ayaya先生のすてきやん通信
Instagramでは1万人超えのフォロワーに支持され、多くの女性教師のロールモデルにもなっている樋口綾香先生の人気連載! 今回は、「二段対応表を使って比較する構造的板書」の紹介です。
執筆/大阪府公立小学校教諭・樋口綾香

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目次
「二段対応表」で比較する
前回に引き続き、「比較」によってつくる構造的板書を紹介します。今回は、比較したいことを「二段対応表」で表す板書です。
◆物語文 「やくそく」光村図書一年上
このお話には、三匹の青虫と一本の大きな木が出てきます。あるとき、一匹の青虫がいつものように葉を食べていると、自分とそっくりの青虫と出会います。青虫は、「だめ、だめ。この木は、ぼくの木。ぼくのはっぱ。」と言い、もう一匹の青虫も、「この木は、わたしの木。だから、はっぱも、わたしのはっぱ。」と主張します。
本文中には、二匹の気持ちは書かれていません。児童の活動には、「青虫や木になったつもりで、お話を声に出して読む」というものがあります。
ここで大切にしたいと私が思ったのは、
- 二匹が同じことを言っている
- 独り占めしたい気持ちが強い
この二つに気づくことです。そうすれば、自然と読み方を工夫できると考えました。
そこで、二匹の会話文を「比較」し、上記の二点に気づけるように、二段対応表を使って、板書を構造化しました。また、簡単な絵や吹き出しを描いて、心情を想像しやすくする手立てとしています。
上下段に書くと、比較する内容が近くにあるので、共通点や相違点が分かりやすくなります。
この板書では、二匹とも顔が怒っていることから、喧嘩になったわけを考えることができました。
二段対応表は、いろいろな場面で活用できます。
「やくそく」では、比較する対象が「登場人物のセリフ」でしたが、他にも、「場面」や「行動」、「心情」などさまざまな事柄を比較できます。
特に、低学年の物語文では、繰り返しがたくさん出てきます。何が繰り返されているかを教材分析の段階で考えながら読むと、板書に生かすことができるでしょう。
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