小4算数「整理のしかた」指導アイデア

執筆/埼玉県公立小学校教諭・原諒太
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、浦和大学教授・矢部一夫

本時のねらいと評価規準

ねらい

資料を2つの観点から分類整理する方法や、二次元の表の表し方、特徴の調べ方を理解する。

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評価規準

けが調べのデータを基に、二次元の表にまとめることができる。

問題
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ポスターを作るために、どんなことを知りたいですか。

どんなけがをしているのか。

どんな場所でけがをしたか。

けが調べの表を見て気付いたことはありますか。

すり傷が11人で一番多いことが分かります。

場所は、廊下が1人で一番少ないんだね。

校庭や体育館のけがが多いわ。

どんなけがが、どんな場所で多いのかが分かると、ポスターが作りやすいね。

分かりやすくするには、どうしたらいいですか。

けがの種類と場所を同時に見られる表が作れるといいなあ。

学習のねらい

2つの記録を分かりやすく整理する方法を考えよう。

見通し

既習である、一つの観点での分類整理を生かせるよう、けがの種類ごと、場所ごとに表に整理させます。そのなかで、どんなけがが多いのか、どんな場所でけがをしているのかなど気付いたことを話し合わせます。気付いたことのなかから、どんなけがが、どんな場所で多いのかが分かるとポスターが作りやすいなどの声から、二つの観点で分類整理をする必要性につなげます。

自力解決

A つまずいている子
二次元の表の見方や表し方が分からない。

B 素朴に解いている子
けが調べの表から、二次元の表に表している。

C ねらい通り解いている子
二次元の表に表し、表からけがの種類と場所の関係を読み取っている。

学び合いの計画

はじめに、けがに注意するポスターを作るという目的意識をもたせて本時の学習を進めていきます。2つの表から気付いたことを話し合わせるなかで、一つの観点の表では、けがの種類と場所を関連付けて見ることができないことに気付かせ、二つの観点の表にまとめる必要性につなげていきます。二つの観点の表に分類整理するなかで、二つのことが同時に読み取れることのよさに気付くことができるようにします。

本時の子供のノート例

ノート例
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全体発表とそれぞれの考えの関連付け

表

表を見て、気付いたことはありますか。

校庭ですり傷をした人が一番多い。

打撲をした人が多い場所は体育館です。

廊下でのけがが少ない。

この表は、けがの種類と場所の2つの関係がすぐわかります。

どのようなポスターを作ればいいですか。

校庭や体育館でのけがが多いから、呼びかけるポスターが必要だと思います。

校庭や体育館ではすり傷が多いことを伝えるポスターを作りたいなあ。

けがの種類とけがをした場所の関係は分かったけれど、けがをした時間との関係はどうなんだろう。

けがの種類とけがをした時間との関係はどうなのでしょうか。

学習のねらいに正対した学習のまとめ

表を工夫すると、1つの表から2つの関係を同時に読み取ることができる。

評価問題

けが調べ(4月)から、けがの種類とけがをした時間について、表にまとめ、気付いたことを言いましょう。

子供に期待する解答の具体例

解答の具体例

・ 昼休みや放課後にすり傷が多いことがわかった。
・ 打撲は授業中以外の時間に起こっている。
・ 昼休みの安全な遊び方について、ポスターで伝えられるといいな。

感想例

表を工夫したら、けがの種類と場所の関係がひと目で分かって便利だった。学年とけがの種類や、場所とけがをした時間の関係も表にまとめて、いろいろなポスターを作ってみたい。

イラスト/小沢ヨマ

『教育技術 小三小四』2019年12月号より

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