小6算数「比例と反比例」指導アイデア
執筆/神奈川県公立小学校主幹教諭・純岡尚史
編集委員/文部科学省教科調査官・笠井健一、島根県立大学教授・齊藤一弥

目次
本時のねらいと評価規準
本時の位置 8/16時
比例の活用
ねらい
多くの情報の中から問題の解決に必要な数量を見いだし、比例とみなして待ち時間を求める方法を考え、その理由を説明することができる。
評価規準
比例の関係にある2つの数量の関係を見いだし、比例の性質を用いて問題を解決する方法を考え、得られた結果を説明することができる。(数学的な考え方)

観覧車の待ち時間を求められないかな?
このままだと、情報がなくてわからないよ。
何がわかれば、求められそうですか。
並んでいる全部の人数。
ゴンドラの数。
ゴンドラが1台来るのにかかる時間。
必要な情報を使って、観覧車の待ち時間の求め方を考えてみましょう。
情報…
全部の人数:24人、ゴンドラの数:16台、1周にかかる時間:5分20秒
1台が来る時間:20秒、ゴンドラに乗れる人数:4人、並んでいる組:10組
本時の学習のねらい
必要な情報を用いて、観覧車の待ち時間を求める方法を考え、そのわけを説明しよう。
見通し
全部の情報は必要なさそう。人数は関係ないよ。
10組目の待ち時間を求めているので、時間と組数が関係しているよ。
自力解決
A つまずいている子
どの数量に着目して問題解決をしてよいのかわからず、立式できていない。
B 素朴に解いている子
必要な情報を用い、待ち時間の求め方を考えている。
C ねらい通りに解いている子
比例とみなして、1台が来る時間と並んでいる組に着目し、待ち時間を求めている。
学び合いの計画
比例の関係を用いると、能率よく問題を解決できる場面は日常生活に様々あります。しかし、そうした場面では、多くの情報があふれているため、必要な情報を選び出すことが大切です。また、選び出した情報を比例の関係にあるとみなし、目的や状況を考えながら判断し、選択することで、比例の関係を用いた問題解決の方法を、日常生活に生かそうとする態度を養うことが重要です。
本時のノート例
全体発表とそれぞれの考えの関連付け



どのように考えたのかを、説明しましょう。
1周するのに、320秒かかるので、台数でわると、1台あたりの通過時間がでます。10組待っているので、20×10で、200秒待つことがわかります。
1周の時間を出さなくても、1台が来る時間がわかっているので、簡単に出せます。
比例をしていると考えられるで、20×10で、もっと簡単に出すことができます。
どうして、比例していると考えてもよいのですか。
表を見ると、1組が20秒ずつかかると考えることができるので、比例の考えを使うことができます。
学習のねらいに正対した学習のまとめ
本時では、たくさんの情報の中から、どれとどれが比例の関係にあるのか見いだし、比例とみなしてよいことを表や図、式と関連付けてまとめていきます。


感想例
・比例の考えを使うと、待ち時間が計算できて、とても生活に役立つことがわかりました。次から、行列に並ぶときには、どのくらい待つかを考えてみたいと思いました。
イラスト/斉木のりこ
『教育技術 小五小六』 2019年11月号より