小1生活 「あきとあそぼう」指導アイデア
執筆/神奈川県公立小学校教諭・大関靖子
編集委員/文部科学省教科調査官・渋谷一典、神奈川県公立小学校校長・二宮昭夫
目次
期待する子どもの姿

知識及び技能の基礎
秋の自然物を使って遊ぶ楽しさや自然の不思議さに気付いている。
思考力、判断力、表現力等の基礎
秋の自然物を使って、遊びや遊びに使う物を工夫してつくっている。
学びに向かう力、人間性等
秋の自然物を使って、みんなと楽しみながら遊びを創り出そうとしている。

子どもの意識と指導の流れ
(8時間)
こんな声や姿を学習につなげたいですね。



秋の物で遊ぼう(1時間)
●見付けた秋の自然物で遊ぶ
目指したい子どもの姿・気付き

遊ぶ物をつくって遊ぼう(5時間)
●見付けた自然物で、遊ぶ物をつくったり遊んだりする

目指したい子どもの姿・気付き

みんなで遊ぼう(2時間)
●秋のおもちゃ祭りをする

目指したい子どもの姿・気付き

活動のポイント1
子どもの「やってみたい」気持ちを引き出す
前単元を振り返ったり、安全につくったり試したり遊んだりできる環境を整えることで、子どもたちの「やってみたい」「こうしてみよう」という思いを引き出しましょう。
前単元「たのしいあきいっぱい」で見付けた発見を教室に掲示しておく
安全につくったり遊んだりできる場の設定をする
活動のポイント2
多様な活動を通して気付きの質を高める
秋の物を使ったおもちゃで遊ぶ中で生まれた気付きの質が高まるように、試行錯誤できる時間や場を確保し、「試す」「見通す」「工夫する」「比べる」などの多様な活動を取り入れましょう。
試す
子どもの思いと教師の働きかけ


子どもの反応例
「 いろいろな人の洋服で試してみよう。」
「くっ付きやすい服とくっ付きにくい服があったよ。 」
「やわらかい洋服にはたくさんくっ付いたよ。的当てができるかもしれないよ。」
見通す
子どもの思いと教師の働きかけ


子どもの反応例
「まつぼっくりけん玉のひもの長さを長くしたら、カップに入りやすいかもしれないな。」
「ちょうどいい長さが見付かったよ。長すぎても、短かすぎても入らなかったよ。」
工夫する
子どもの思いと教師の働きかけ


子どもの反応例
「30数えたら終わりだよ。」
「〇〇さんの数え方、速いよ。」
「じゃあ、この速さで数えよう。」
「同じくらいの速さで数えたらいいね。」
「時間を決めたら、面白いね。」
友達との関わりを大切にする
• 教え合いや協力を促す働きかけをします。

交流の場を設ける
• 友達の遊びを体験して自分の遊びと比べる時間を設定したり、遊びたい人を招待したりして、互いのよさに気付けるようにします。
活動のポイント3
他教科・他単元等と関連させ、学びを深める
秋の物を使った楽しい遊びを体験して生まれた気付きを他教科・他単元等と関連させることで、気付きの質を高めるとともに、自分の生活に生かせるようにすることが大切です。
図工
「はさみは奥のほうで切るとよく切れたよ。」
「セロハンテープで貼ったほうが、のりよりくっ付くよ。」
算数
「的当てに10個もオナモミがくっ付いたよ。」
「的の大きいほうは3点にしよう。」

国語
発見したこと、気付いたこと、楽しかったことなどを作文に書きます。
「 今度は、弟と遊んでみたいです。」
イラスト/熊アート
『教育技術小一小二』2019年11月号より