小3理科「太陽の光をしらべよう」指導アイデア
執筆/福岡県公立小学校教諭・木村七帆子
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、福岡県公立小学校校長・藤井創一
目次
単元のねらい
光を当てたときの明るさやあたたかさに着目して、光の強さを変えたときの現象の違いを比較し、光の性質について調べる活動を通してそれらについての理解を図ります。また、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主に差異点や共通点を基に、問題を見いだす力や主体的に問題解決しようとする態度を育成します。
単元の流れ(二次 総時数 6時間)
一次 光の進み方(2時間)
- 的あてミッションゲーム(1時間)
- 光の進み方(1時間)
はじめに、子供たち一人ひとりが鏡を持ち、光の的当てをしたり、光のリレーをしたりする体験活動をすることで、光の性質についての興味・関心を高めます。その後、体験活動での気付きや疑問を基にして問題をつくり、実験によって確かめていくようにすることで、光の性質についての理解を深めるとともに、問題解決の学び方を身に付けることができるようにします。
二次 光の明るさとあたたかさ(4時間)
- 鏡で光を集めると(2時間)
- 虫メガネで光を集めると(1時間)
- たしかめ(1時間)
■単元デザインのポイント■
「量的・関係的」のメガネで見てみよう!
見方 主として「量的・関係的」
- 日光を集める鏡の数を変えると・・・
- 虫眼鏡では、日光を集めたところの大きさを変えると・・・
日光が当たった物の明るさやあたたかさは、どのように変わるのか?
考え方
一枚の鏡で物に光を当てたときと複数枚の鏡で物に光を当てたときの、物の明るさやあたたかさを「比較して」考える。
注意事項
・直接目で太陽を見ない。
・反射させた日光を人の顔に当てない。
・虫メガネで集めた光を衣服や生物に当てない。
単元の導入 ためしの活動を十分にさせよう
子供たちは日頃、日光を意識することはあまりないと考えられます。そこで、子供たち一人ひとりが鏡を持ち、自分の持っている鏡に日光を反射させて光を動かす体験を十分にさせましょう。光の直進性、明るさ、あたたかさなど、光の性質に気付くはずです。ここでは、 3つの「的あてミッションゲーム」を紹介します。
1.光のまと当て
・全員が 1つずつ的に当てる。
・的に 1つ当たるとシール1枚、2つで2枚、3つで3枚、4つすべて当たると5枚。
2.光を集めて
・全員で1つの的に光を集める。
・的に何枚集まっているか確認し、全員の光が集まっていたらシール5枚。
3.光の道をつくろう
・みんなで光の道をつなげてゴールを照らす。
・的に当たればシール5枚。
活動アイディア
~資質・能力の育成をめざして~
「ためしの活動」のなかで、光を重ねると光が当たっているところが明るくなったり、あたたかくなったりすることに気付いています。特に、あたたかさについては、子供が手で感じているあたたかさの違いを基に、「あたたかくなることをはっきりさせたい」という思いを取り上げることで、温度計を使った実験へと追究がつながります。なんとなく感じていたあたたかさの違い(定性)を温度計で確かめることで、温度の違い(定量)としてはっきりと認識することができます。
授業の展開例(第二次 第1・2時)
イラスト/たなかあさこ、横井智美
『教育技術 小三小四』2019年11月号より