小1生活「たのしいあきいっぱい」指導アイデア
執筆:神奈川県公立小学校教諭・木村名月代
編集委員:文部科学省教科調査官・渋谷一典、神奈川県公立小学校校長・二宮昭夫
目次
期待する子どもの姿
知識及び技能の基礎
身近な自然の様子や生活の様子の変化に気付く。
思考力、判断力、表現力等の基礎
夏と比べて違いを見付け、分類する。季節の変化を捉え、絵や言葉、動作などを用いて分かりやすく表現する。
学びに向かう力、人間性等
身近な自然や生活に関する発見や、地域のお祭りに関わる経験などを通して、自分の生活を楽しくしようとする。

子どもの意識と指導の流れ
(7時間)
こんな声や姿を学習につなげたいですね。



○なつからかわったところを、みつけにいこう!校庭編(1時間)
●校庭に、夏から変わったことを見つけに行く。


目指したい子どもの姿・気付き

○ なつからかわったところをみつけて、しょうかいしよう!地域編(3時間)
●地域に、夏から変わったところを見付けに行く。(2時間)


●公園で発見した変化を紹介し合う。(1時間)


目指したい子どもの姿・気付き


○もっとあきをみつけて、しょうかいしよう!(3時間)
●地域に、秋を見付けに行く。(2時間)
●見付けた秋を紹介し合う。(1時間)
目指したい子どもの姿・気付き

活動のポイント1
教室環境を整えて、秋を満喫する。
生活科では、子どもが夢中になるための環境整備が重要です。校庭や地域で見付けてきた物やその写真などを置くスペースをつくり、普段から子どもが秋を意識できるようにしましょう。さりげなく秋らしいものを置いたり、子どもが発見してきた物を飾ったりして導入につなげることもできます。
〇教室に新発見スペースをつくる。

〇子どもの意識を秋に向けさせるきっかけをつくる。



活動のポイント2
気付きの交流で、学びをつなげる・広げる。
生活科は、体全体で直接的に働きかけるような体験の中で生まれる気付きを大切にします。そんな豊かな体験があるからこそ、友達に伝えたいという思いを子どもがもつようになります。
〇紹介したくなるような気付きをもつために、豊かな体験を!
見つける
体全体を使って、秋を満喫することが大切です。
比べる
季節の変化や、深まりに気付くことができます。
・同じ場所や物で、春や夏の様子と比べる。
・前回の体験と比べる。

例える
見付けたものをこれまでの経験とつなげて考えることで、確かな気付きになります。

〇楽しさや気付きを、多様な方法で表現できるように促す。
言葉で
書いたり話したりして伝える。
「風がぴゅっ~って吹いたら、黄色い銀杏がひらひら、花びらみたいだったよ。秋ってきれいだなあって思ったよ」

絵や写真で
振り返りカードに、大きく絵を描けるスペースをつくっておく。また、校庭や公園などで写真をたくさん撮っておく。

動作で
実際に校庭や公園で出会った出来事やしたことを、やってみせる。

実物で
ドングリや木の葉、昆虫など、実物を見せながら話す。
次の「あきとあそぼう」の単元でも、実物を見せたり動作化したりして伝えることができます。
活動のポイント3
他教科・他単元等と関連させ、学びを深める。
季節の変化に対するたくさんの気付きを、これからの学習や自分の生活に生かすためにも、他教科・ 他単元等と関連させることが大切です。
生活科
春の「がっこうたんけんたい」や「なつとあそぼう」の単元の学びと比較しながら学習する。

算数
「今日は、大きなドングリを20個見付けたよ」
「みんなの分を合わせたら、何個になるのかなあ」

国語
「みんなに分かるように、口を大きく開けて話そう」
「今日の発見を日記に書いてみよう」

道徳
「公園は、みんなで使う場所だから、きまりを守って遊ばないとね」
「あいさつしたら、あいさつを返してくれてうれしかったよ」

イラスト/熊アート
『教育技術小一小二』2019年10月号より