小6理科「土地のつくりと変化①」指導アイデア
執筆/大阪府公立小学校教諭・岩本哲也
編集委員/文部科学省教科調査官・鳴川哲也、大阪府公立小学校校長・細川克寿
目次
単元のねらい
土地やその中に含まれるものに着目して、土地のつくりやでき方を多面的に調べる活動を通して、土地のつくりや変化についての理解を図り、観察、実験などに関する技能を身に付けるとともに、主により妥当な考えをつくりだす力や主体的に問題解決しようとする態度を育成します。
単元の流れ(四次 総時数13時間)
◆一次 土地のつくり(2時間)
崖がどのようなものでできているかについて、虫眼鏡や顕微鏡で礫、砂、火山灰、化石などを観察し、崖が縞模様に見える理由を探ります。
できるだけ子供が自然の事物・現象に直接触れながら学習できるようにします。遠足や移動教室などあらゆる機会を生かすとともに、博物館や資料館などの社会教育施設を活用することが考えられます。地域にある社会教育施設に問い合わせれば、地質ボーリングの資料を借りることができる場合もあります。
◆二次 土地のでき方(4時間)
地層に含まれている礫が丸いのは、川原の石の形に似ているようだ。
五年生の時に学習した、「流れる水のはたらきと土地の変化」を思い出してみましょう。
火山灰があるということは、火山が関係して地層ができたんじゃないかな。
流れる水のはたらきによって、どのようにして地層ができたのだろうか。
火山の噴火によって、どのようにして地層ができたのかな。
二次では、一次での学習と五年生での「流れる水のはたらきと土地の変化」の学習との関連を図りながら、学習を進めることが大切です。複線型にグループを編成し、後に互いに調べたことを交流するという方法も考えられます。交流を通して調べたことを共有するといった、対話的な学びを展開することで考えを広げたり、深めたりできるようにしましょう。
◆三次 私たちが住む土地のつくり(2時間)
【活動アイディア例】
自分たちが住んでいる地域の土地のつくりについて調べます。
◆四次 土地の変化(5時間)
なぜ地層が傾いていたり、ずれていたりするのだろうか?
火山の活動や地震による土地の変化について調べます。
単元の終わりに期待される振り返り
自分の住んでいる地域には、大きな川や火山がないが、地層を調べてみると、地層の中に海にすむ貝の化石があったので、大昔、ここは海だったことがわかった。また、火山灰があったことから、遠くの山で、今では考えられないほどの大きな火山の噴火があったことがわかった。土地のつくりを調べ、土地の様子を想像すると、大昔にタイムスリップしたような気持ちになるね。
五年生のときに学習した「流れる水のはたらき」と、地層のでき方が関係していたね。自分の住んでいる地域の土地を調べることで、想像していたよりもかなり広い範囲に広がっていて、はるかに長い時間をかけて地層ができたということがわかった。隣の地域や日本の各地域ではどのように地層が重なり、広がっているのか調べてみたい。
授業の展開例
イラスト/高橋正輝、横井智美
『教育技術 小五小六』2019年10月号より