小5体育「水泳運動」指導アイデア
執筆/新潟県公立小学校教諭・神子島強
編集委員/前スポーツ庁政策課教科調査官・高田彬成、新潟県公立小学校校長
・長谷川智
目次
授業づくりのポイント
友達と関わり合って、続けて、長く、泳ごう!
子供たちは四年生までに、呼吸をしながらのばた足泳ぎやかえる足泳ぎなどを学習しています。高学年の2年間で、クロールや平泳ぎの技能を身に付け、できるようになったら続けて長く泳いだり、泳ぐ距離や泳ぐ時間を伸ばしたりしていくことが大切です。
授業のポイントは、自分の課題を見付け、その課題の解決の仕方を考えていきます。そのためにペア学習やグループ学習を取り入れて、友達同士で教え合いながら進めていきましょう。また、水泳は生命に関わることから、安全の心得については必ず指導しましょう。
単元計画(例)
※五年生では、クロールを中心にした授業展開を紹介します。
楽しむ① クロールの基本を、楽しみながら学ぼう
クラスの中における水泳の技能差は様々です。まずは、みんなができる運動から行っていきましょう。
ウォーミングアップでは、水の中で体を動かす感覚をつかめるように、もぐったり浮いたりする運動や、け伸びやばた足で進む運動から入り、「楽しい!」「できる!」感じをつかむようにします。そこからクロールで一番つまずきやすい「呼吸動作」を中心に、学習を進めていきます。
ペア学習やグループ学習で、お互いに見合ったり、教え合ったりしながら技能の向上を目指します。
ウォーミングアップ
け伸び
全ての泳ぎの基本はけ伸びです。水にもぐり、脚を床から離し両足裏を壁に付け、あごを引いて両腕で両耳をはさみ、力強く壁を蹴って体を一直線に伸ばして水中を進みます。
ペアの友達に水中姿勢を見てもらったり、目標地点に立ってもらったりするとよいでしょう。
壁持ちばた足
肘を伸ばして上下で壁を押さえ、体を伸ばしてばた足をします。ペアの友達が上から「1、2、パッ、4」と声をかけ、「パッ」で呼吸をします。
ビート板ばた足
ビート板に手を乗せて、ばた足をします。ペアの友達の「1、2、パッ、4」のかけ声に合わせて、呼吸をしながら進みます。
面かぶりクロール
腕を左右交互に前に伸ばして、しっかり後ろまで水をかきます。片方の手がもう片方の手に付いたらかきはじめるようにし、け伸びの姿勢を保ちながら泳ぎます。
呼吸動作を身に付けよう
手タッチクロールで安心クロール
ペアの友達の手を支えに、ばた足をしながら腕をかきます。仲間の手伝いがあれば、安心して長く泳ぐことができます。
ビート板を使った片腕クロール
片手でビート板を持ち、もう片方の腕は体に添えるようにして伸ばし、耳を腕につけながら呼吸します。ペアにビート板を傾けてもらうと、頭を上げずに呼吸ができます。
腕のかきを入れたビート板クロール
腕をももまで真っ直ぐにかき、1回ごとに前でそろえます。ペアの友達の声に合わせ、呼吸のタイミングをつかむようにしましょう。
楽しむ② 長く泳ぐ泳ぎ方を身に付けよう
イラスト/みながわこう、横井智美
『教育技術 小五小六』2019年7/8月号より