小4社会「ごみの処理と再利用」指導アイデア
執筆/東京都公立小学校主任教諭・新宅直人
編集委員/文部科学省教科調査官・小倉勝登、東京都教育庁指導部義務教育指導課・秋田博昭
目次
ねらい
ごみを処理する事業について、処理の仕組みや再利用、県内外の人々の協力などに着目して、見学・調査や資料を通して調べ、その事業が果たす役割を考え、ごみを処理する事業は、衛生的な処理や資源の有効利用ができるよう進められていることや、生活環境の維持と向上に役立っていることを理解できるようにする。
学習の流れ(10時間扱い)
問題をつくる(2時間)
○ 家や学校から出るごみの種類や量を調べる。
○ 一人が1日に出すごみの量や、1年間に出されるごみの量を調べ、疑問に思ったことを話し合う。
学習問題
私たちが出す大量のごみは、だれが、どのように処理しているのだろう。
追究する(6時間)
○ ごみを収集する人々の仕事の様子を調べる。
○ 清掃工場の仕組みや清掃工場で働く人々の工夫や努力を調べる。
○ 不燃ごみや粗大ごみの処理のしかたを調べる。
○ 再利用の仕組みや取り組みを調べる。
○ 東京都がごみ処理に取り組んできたあゆみを調べる。
まとめる(2時間)
○ ごみを処理する事業が果たす役割を考える。
○ 学習してきたことを基に、これから埋め立て処分場を少しでも長く使うために、自分たちが協力できることを考える。
導入のくふう
導入の場面で、家や学校から出ているごみの種類や量について調べ、「ごみは種類によって集める曜日が違うのはなぜだろう」「私たちが出している大量のごみは、どこに行くのだろう」という問いをもち、主体的に追究できるようにする。
第1時
「ごみは、種類によって集める曜日が違っている」ということを学習します。
第2時
私たちは、毎日の生活のなかでどのくらいのごみを出しているのでしょう。
私の家では、燃やすごみを出す日には、45Lのごみ袋を1つ出しています。
学校では、1日に20kgものごみを出すこともあると、主事さんが教えてくれました。
このグラフからは、どのようなことが分かりますか。
2000年度は1日に一人あたり1,185g のごみを出しています。
2014年度は日本全体で、1年間で4,432万t(25mプールで約42万杯分)にもなります。
私たちが出しているたくさんのごみは、いったいどこへ行っているのだろう。
ごみがたくさん出されるから、種類によって集める曜日を変えているのかな。
2000年からは、私たちが出すごみの量が減ってきているのはどうしてだろう。
問題をつくる (1、2/10時間)
学校や家で出されているごみの種類や一人が1 日に出すごみの量について調べ、疑問に思ったことについて話し合う。
学習問題
私たちが出す大量のごみは、だれが、どのように処理しているのだろう。
まとめる (9・10/10時間)
学習してきたことを基に、ごみを処理する事業が果たす役割を考えるとともに、自分たちの関わり方を選択・判断する。
まとめ方のくふう
イラスト/横井智美、佐藤雅枝
『教育技術 小三小四』2019年6月号より